法用寺(ほうようじ)三重塔(福島県大沼郡会津美里町雀林字三番山下3554)

  山里にそびえる三重塔。会津地方の歴史をきざむ天台宗の古刹

 

法用寺三重塔(県指定文化財、江戸時代中期 安永九年 1780年、銅板葺、高さ 約19m)


三層部、高欄がない。軒は扇垂木、中備えはなし

二層部、高欄がない。軒は二軒繁垂木、中備えは脇間のみ蓑束

法用寺は奈良時代の後期にあたる養老四年(720)に徳道上人により建立され平安時代の大同二年(807)に焼失

大同三年(808)に徳一(とくいつ)が現地に再興したと伝えられ、会津の天台宗の中心として栄えた

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間正面は連子窓、他の三面は板張り、中備えは中央間蟇股、脇間蓑束


三層部、組物は三手先。軒は扇垂木

初層、組物は三手先。軒の流れが美しい

相輪(写真:右)は型の通りで宝珠に火焔がつく

初層の軒には丸彫りの竜頭が爪をたて迫力満点に迫る


初層、支輪は二段で上部は彫刻された板支輪下部は菱格子

初層、和様三手先。拳鼻を入れ、尾垂木を二段にし竜頭を飾る

塔の内部は四天柱があり、厨子を設け釈迦三尊像を安置する

米沢の千歳桜

法用寺から約 1Km北にある樹齢700年を数えるベニヒガンザクラ

法用寺本堂(観音堂)

本堂内、禅宗様の三間厨子は鎌倉時代の正和三年(1314)銘の棟札があり重要文化財に指定されている

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山里にそびえる三重塔はJR只見線の車窓からよく見える。会津地方に現存する唯一の三重塔

三重塔、三層屋根 (向って左側) に屋根への出口がついてる

(平成18年5月6日撮影)

*JR只見線、根岸駅下車 徒歩約 40分。