玉田寺(ぎょくでんじ)(兵庫県美方郡新温泉町七釜1436)
宝篋印塔は、もと大阪府東能勢村(現 豊能町)の廃寺にあったもので、当地出身の実業家 細見亮市氏(通称:細見良、号:古香庵)が寄贈したもの。
玉田寺 宝篋印塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期 正和三年 1314年、花崗岩、高さ 189Cm)
塔身、月輪内に四方仏の種子を刻む(北面、バク:薬師如来) | ||
宝篋印塔は、門内右手に立っている。 | 塔身、月輪内に四方仏の種子を刻む(東面、キーク:尊名不明) |
塔身の四方仏は、尊名、配列が変わっていて顕教四仏の薬師・阿弥陀に地蔵と尊名不明の梵字「キーク」を刻んでいる。
笠
笠の段型は下二段、上六段、隅飾は二弧で内は無地、やや外傾する。
塔身、月輪内に四方仏の種子を刻む(南面、キリーク:阿弥陀如来) | ||
塔身、月輪内に四方仏の種子を刻む(西面、カ:地蔵菩薩) | 宝篋印塔では、兵庫県最古の紀年銘 正和三年(1314)を有する |
基礎 西面
基礎上端は二段、側面は四面とも輪郭を巻き内に格狭間をつくる。北面の束に刻銘がある。
相輪は下から、伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠で、九輪は線彫りで簡易的に九つの輪に分けている。宝篋印塔は、全体に細身で完存する |
基礎 北面
向って右側の束に「正和三(1314)、甲刁(寅)、三月口日」、左に「願主神宗弘」の刻銘がある
刻銘:「願主神宗弘」 | 刻銘:「正和三(1314)、甲刁(寅)、三月口日」 |
玉田寺(ぎょくでんじ) 宝篋印塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期 )
寄贈した細見亮市氏と長男 實氏、三代 良行氏の収集したコレクションは、京都市の細見美術館に納められている。
玉田寺(ぎょくでんじ) (臨済宗 天龍寺派)
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*JR山陰本線 浜坂駅前から新温泉町民バス 湯村温泉行きに乗車、「七釜温泉バス停」下車、北東方向へ徒歩 約3分。
(撮影:平成24年6月27日)