宮内(みやうち)の田の神(鹿児島県霧島市隼人町内山田1805)
田の神は、五穀豊穣をもたらす神として、旧薩摩藩の領内にみられる。「宮内の田の神」は、鹿児島神宮の神田を見守る田の神。
宮内(みやうち)の田の神 (県指定文化財、江戸時代後期 天明元年 1781年、高さ 81Cm)
米を蒸す為の藁製の甑簀(こしきす)を頭にかむり、右手にシャモジ、左手に飯椀をもつ。体形は男根を象徴し、豊作を祈念する |
田の神は、「田の神どん(殿)」とか「田の神さあ(様)」とか呼ばれ、旧薩摩藩で江戸時代中期から江戸時代末期にかけて造像されている。
田の神 上半身
お顔は、あごひげを生やし翁面(おきなめん)に似ている。
鹿児島神宮のお田植祭では、田の神の前に祭壇が作られ、田の神舞が舞われ、神田に早苗が植えられるという。 |
田の神は、春の農耕が始まる頃、山から里へ下り、秋の収穫が済むと再び山へ帰るものと信じられている。
背面に「奉寄進、天明元天(1781)辛丑九月吉日、正八幡宮、田神沢五納右衛門」の刻銘がある。
鹿児島神宮(かごしまじんぐう) 勅使殿・拝殿 (県指定文化財)
鹿児島神宮(かごしまじんぐう)
*JR日豊本線 「隼人駅」下車、北方向へ 徒歩 約17分。鹿児島神宮の南西、神社に隣接してある御神田の脇に立っている。
(撮影:平成24年1月24日)