東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 中央塔

 東漸寺(とうぜんじ)(神奈川県横浜市磯子区杉田1-9-1)

   三基並んで立つ中央の五輪塔で、一番背が高く、形状は一番整っている。凝灰岩製で、鎌倉時代後期の名品。

東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 中央塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期 、凝灰岩、高さ 194Cm)

風・空輪、一石で作られる。空輪は宝珠の形。(梵字:ケン・カン)
釈迦堂の手前、三基並んで立つ凝灰岩の五輪塔、その中央塔 火輪軒は、内斜に切られている。

火 輪 (梵字:ラン)

軒は直線的で両端でわずかに反る。梵字は美しく彫られているが、東・西塔に比べやや小さめ。

水 輪 (梵字:バン)

やや下ぶくれの角ばった球形。

白色の凝灰岩製五輪塔で、三基のうち最大の高さを持ち、一番整った形状をしている。各輪の四面に五輪塔 四門の梵字を刻んでいる。

五輪塔 四門の梵字、上(空輪)から下(地輪)へ

キャ・カ・ラ・バ・ア   (東方、発心門)               キャー・カー・ラー・バー・アー   (南方、修行門)

ケン・カン・ラン・バン・アン   (西方、菩提門)         キャク・カク・ラク・バク・アク    (北方、涅槃門)

地  輪 (梵字「アン」)

地輪は方形で、表面の剥落が激しい。

覆屋に安置されている五輪塔 三基

五輪塔は、釈迦堂に向って手前、左側の覆屋に安置されている。

 称名寺(しょうみょうじ)五輪塔(二基)                        石仏と石塔-目次!

東漸寺 釈迦堂(県指定文化財、鎌倉時代後期 正安三年 1301年、禅宗様仏殿)

創建当時の古材は、わずかしか残っていないが、昭和48年(1973)より5年かけて解体修理が行われ、完全な復元がなされた。

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*JR 根岸線 「新杉田駅」下車、南西方向へ徒歩 約6分。又は、京急本線 「杉田駅」下車、徒歩。

(撮影:平成24年11月7日)