杵築神社(きつきじんじゃ)石造層塔

 杵築神社(きつきじんじゃ)(奈良県生駒郡安堵町窪田424)

  石造層塔は凝灰岩製で平安時代後期の作品。初層軸部、顕教四仏の種子が珍しく、また美しい。

杵築神社(きつきじんじゃ)石造層塔 (平安時代後期、凝灰岩、現在七層 高さ 312Cm)

初層軸部、顕教四仏の種子を薬研彫する(南面、「ユ」:弥勒)
石造層塔は、拝殿に向かって右手、手前の雑木林の中に立っている 初層軸部、顕教四仏の種子を薬研彫する(西面、「バイ」:薬師如来)

初層軸部は、大和では二例しかない顕教四仏の種子が、月輪を刻まず軸部いっぱいに雄渾に彫られている。

初層・二層屋根

各層屋根の上部に、上層の低い軸部をつくりだす。軒反は緩く真反(まぞり)を示し、軒下は垂木型を作らない。

初層軸部、顕教四仏の種子を薬研彫する(北面、「バク」:釈迦如来)
初層軸部、顕教四仏の種子を薬研彫する(東面、「キリーク」:阿弥陀如来) 相輪を決失し、小型宝篋印塔の笠を載せている

石造層塔は、廃寺になった平楽寺にあったものという。

基礎 南面

基礎は背が低く古式を示す。かなり傷んでいる。

基礎 北面

基礎は、新補の基壇上に据えられる。

 達磨寺八面石幢・正楽寺石棺仏                           石仏と石塔-目次!

杵築神社 (きつきじんじゃ)

杵築神社は、安堵町窪田に二社あり、層塔があるのは東北側の神社で、通称 中窪田の杵築神社

層塔紀年順  当麻北墓(たいまきたばか)三重石塔(平安時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR関西本線(大和路線)法隆寺駅前より、奈良交通バス かしのき台経由法隆寺駅(循環バス)行きに乗車、「かしのき台バス停」下車 南方向へ徒歩 約9分。

(撮影:平成23年8月1日)