般若寺(はんにゃじ)石燈籠

 般若寺(はんにゃじ)(奈良県奈良市般若寺町221)

  江戸時代から名物の石燈籠として有名で、般若寺型石燈籠と呼ばれている。

般若寺(はんにゃじ)石燈籠 (江戸時代前期、花崗岩、高さ 276Cm、笠・竿は明治の補作)

宝珠、蓮の蕾形で弁が重なる状態を刻み、外側の一重が開いて下に垂れる
六角型石燈籠は、本堂の前に立っている。笠と竿は明治の補作 火袋、六角で、火口二面、壁面 四面の構成

笠は、明治時代に新しく補われた。

火  袋

壁面の中区は牡丹・獅子・孔雀・鳳凰の豪華な文様を薄肉彫りし、上区・下区も種々の装飾を施している。

中  台

上端は薄い二段、下端に単弁の蓮弁、側面は格狭間をつくり、内に中心飾りや花菱文を入れる。

竿(さお)は円柱で、三節は外に強く出張っている。尚、竿(さお)は明治時代に新しく補われた。

従来、この石燈籠は南北朝時代前期の作とされてきたが、この燈籠の原型とみられる鎌倉時代後期の般若寺型石燈籠が、東京都文京区の椿山荘で発見され、般若寺の

もの、鎌倉時代後期に造られた石燈籠を江戸時代前期になって、忠実に模して造られたと考えられている。椿山荘の石燈籠は、笠・竿も鎌倉時代のものが遺存している。

基 礎 ・ 基 壇

基礎は六角形で、同形の二重基壇の上に据えられている。尚、椿山荘石燈籠の基礎は背が低い。

基礎上端は複弁反花、中央の竿受け周りは小蓮弁で囲まれ、側面は六面とも輪郭を巻き、内に中心飾り付きの格狭間をつくる。

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般若寺(はんにゃじ)本堂(県指定文化財、江戸時代 寛文七年 1667年再建)

 石燈籠(いしどうろう)

* JR奈良・近鉄奈良駅より奈良交通バス 青山住宅行乗車、「般若寺」下車 徒歩5分。

(撮影:平成24年9月5日)