西蓮寺(さいれんじ)(奈良県奈良市菅原町475)
近隣農道の橋石として使用されていたもので、堂塔 基壇の羽目石に使用されていたともいう。正面に永仁二年(1294)の銘がある。
西蓮寺(さいれんじ)束石(鎌倉時代後期 永仁二年 1294年、花崗岩、高さ 91Cm 幅57.5Cm)
本堂に向かって右手(北側)、小庭園の中に立っている。正面に「永仁二年」の紀年銘と施主及び大工名「橘友安」の名を刻む |
右端に切込があり、基壇の羽目板石に使用されたといわれている。橘友安は、橘派の石大工で、木津市加茂町の「高田寺五輪塔(永仁三年:1295年)」、
同町「西明寺笠塔婆(永仁三年;1295年)」に橘友安の名が刻まれている。また、橘派の名は同じ加茂町東小にある「藪の中三尊(弘長二年:1262年)」に
「大工橘安縄」の名が刻まれている。(橘派石大工: 橘安縄→橘友安→橘維安)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・/・
束石 背面
平に仕上げられ、無地で刻銘はない
刻銘(部分):「大工橘友安」 | 表面に刻まれた刻銘 |
刻銘(全文):「施主大法師弁乗、永仁二年(1294)九月八日、大工橘友安」
西蓮寺(さいれんじ)本堂
西蓮寺(さいれんじ)(浄土真宗本願寺派)
*近鉄橿原線「尼ヶ辻駅」下車、北西方向へ 約700m。
(撮影:平成23年3月3日)