乙宝寺(おっぽうじ)三重塔(新潟県胎内市乙1112)

  「今昔物語」にも登場する新潟屈指の古刹

乙宝寺三重塔(重要文化財、江戸時代初期 元和6年 1620年、こけら葺、高さ 24.2m)


三層部、二軒繁垂木、三手先組物、中央間のみ間斗束

二層部は三層部と同じつくり

乙宝寺は聖武天皇の勅命により行基菩薩とインド僧 婆羅門僧正が北陸一帯の安穏を祈願して開創された

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


二層部の三手先組物と軒(二軒繁垂木)

初層部、三手先組物、屋根はこけら葺

塔は京都の工匠 小島近江守藤原吉正の手になる和様の洗練された三重塔

塔の内部は四天柱、来迎壁があり仏壇に普賢菩薩像を安置する

現在の三重塔は村上城主・村上義明が願主となり、慶長19年(1614年)起工、元和6年(1620年)に完成した


オムスビ形の水煙が唐草文様ともども面白い

露盤に梵字が刻まれている

初層の軒の流れが何とも美しい

松尾芭蕉も「奥の細道」の途中に乙宝寺に参詣し、「うらやまし浮世の北の山桜」 と句を詠んでいる

仁王門(延享2年 1745年改修)

奈良創建の金堂の古材が使用されているという

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乙宝寺 大日堂

(平成17年5月1日撮影)