保月板碑(ほづきいたび)(断碑)

 保月板碑(ほづきいたび)(断碑)〔岡山県高梁市有漢(うかん)町上有漢9167〕

   板碑(断碑)は、保月宝塔・六面石幢の願主 西信の妻 西阿の造立で、鎌倉時代後期 嘉元三年(1305)の銘がある。

保月(ほづき)板碑(断碑)(市指定文化財、鎌倉時代後期 嘉元三年 1305年、花崗岩、高さ 84Cm)

板碑は、六角石幢や宝塔がある場所の山裾に、上部の三分の一程度を欠失し立っている。表面の刻銘から西信の妻 西阿の造立と知れる。

刻銘:中央に「嘉元三年(1305)卯月 日 尼西阿口」、上方の左右に「造作五逆罪」(出典未詳)の偈(げ)、

下方左右に「右為養父笠四郎養母笠氏出離解脱」「乃至法界平等利益造立口敬白」

中央の刻銘 西阿は、宝塔や六面石幢の願主 西信の妻で、石幢では自らも願主になっている。この約二か月前の二月十七日には、西信が願主となり宝塔を造立している。

上方の偈(げ)文:「造作五逆罪(ぞうさごぎゃくざい)、常念地蔵尊(じょうねんじぞうそん)」「遊戯諸地獄(ゆうげしょじごく)、決定代受苦(けつじょうだいじゅく)

(五逆罪をつくるとも、常に地蔵尊を念ずれば、地蔵は諸地獄を周り、必ず代わって苦しみを受けてくれる。)

(五逆罪:父母を殺す、聖人を殺す、仏を傷つける、教団の和合を破る。以上、五つの重い罪)

保月(ほづき)板碑(断碑)(市指定文化財、高さ 84Cm 幅 26.6Cm 厚さ 12Cm)

上部の欠失した部分には、像容か種子が刻まれていたと思われる。

板碑の表面は、仕上げされ 側・背面は粗削りのまま、刻銘は磨滅してほとんど読めない。

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保月(ほづき)板碑と石造宝塔・六面宝幢

石造宝塔のある後列、向かって左端に板碑(断碑)は立っている。

 板碑(いたび)

*JR高梁駅前のバスセンターより備北バス 川関行きに乗車、「川関口バス停」下車 東方向へ徒歩 約25分。保月三尊板碑より道路に沿って奥(東)へ 約160mの所に保月宝幢・宝塔があり、その山際に立つ。

(撮影:平成23年9月12日、平成19年8月14日)