西大寺(さいだいじ)観音院七重石塔

 西大寺(さいだいじ)観音院(岡山県岡山市東区西大寺中3-8-8)

  西大寺観音院は、天平勝宝三年(751年)の創建で、高野山真言宗の別格本山。毎年二月に行われる「裸祭り」の奇祭で有名。

西大寺観音院 七重石塔(県指定文化財、室町時代中期 長禄二年 1458年、凝灰岩、高さ 215Cm)

初層軸部正面、線刻蓮華座上に仏坐像、両脇に「南無阿口弥陀仏」と刻む
七重石塔は、鐘楼門をくっぐた奥、客殿の庭に立っている 初層軸部西面、中央に「長禄二年(1458)と刻む

初層・二層屋根

軒は緩く反り、各層屋根の上部に、低い上層の軸部を作り出す。軒下の垂木型は、つくらない。

初層軸部東面、「四月八日」と刻む
初層軸部背面、中央に意図不明の小孔が穿たれている 相輪は、請花だけが残り、他は欠損する。

初層軸部正面に、阿弥陀と思われる仏坐像を刻み、両側に「南無阿口弥陀仏」、向かって右側の面に「長禄二年(1458)、左側の面に「四月八日」と刻む

基 礎

基礎は、切石の低い基壇上に据えられ、背は低く側面は無地。

石材は、小豆島 西側の豊島から出る豊島石(凝灰岩)で、水に弱く風化しやすい。その為、室町時代の造立にしては、風化が進んでいる

鐘楼門 (江戸時代中期)

ここに吊るされている高麗時代(10~11世紀)に鋳造した朝鮮鐘は、国・重文に指定されている。

七重石塔は、この門を入った客殿の庭に立っている。

 西大寺観音院三重塔(県指定文化財、江戸時代 延宝六年 1678年建立、本瓦葺、高さ 21m)

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西大寺観音院 本堂(県指定文化財、江戸時代 文久3年 1863年建立、本瓦葺、総欅造)

本堂の前半が板張りで大床という。会陽(えよう)には大床だけで五千人の裸群が上り詰め、梁や長押にも群がるという

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*JR岡山駅前から両備バス 西大寺行に乗車、終点 「西大寺バスセンター」下車、南東方向へ徒歩 約10分。又は、JR赤穂線「西大寺駅」下車、南方向へ徒歩 約13分。

(撮影:平成23年9月11日)