財前家墓地 金剛界大日三尊種子板碑

  財前家墓地(ざいぜんけぼち)(大分県杵築市大田小野1609)

   確認できる板碑の種子は、組み合わせが異なり興味深い。また、板碑の残欠に鎌倉時代後期 「元亨元年(1321)十二月廿一日」銘のものがある。

財前家墓地(ざいぜんけぼち)金剛界大日三尊種子板碑 (県指定史跡、安山岩、高さ 155Cm)

頭部低い山形、下に二条線、額部は突出する。身部上方に月輪を線刻し、特殊三尊配列の金剛界大日三尊の種子を刻む、下方は不明

側面は、頂部から身部・根部に至るまで、緩やかなカーブで湾曲させる

身部上方、金剛界大日三尊の種子

上に金剛界大日如来の種子「バン」、向かって右下に不動明王の種子「カーン」、左下に毘沙門天の種子「バイ」を月輪内に刻む

通常、「バイ」は薬師如来の種子

財前家墓地 胎蔵界大日三尊種子板碑

財前家墓地(ざいぜんけぼち)胎蔵界大日三尊種子板碑 (県指定史跡、安山岩、高さ 120Cm)

頭部は低い山形、下に二条線、額部は突出する。身部上方に月輪を線刻し、内に胎蔵界大日を主尊とする三尊種子を刻む。下方は不明。

側面は、頂部から身部・根部に至るまで、緩やかなカーブで湾曲させる

身部上方、釈迦三尊の種子

上に胎蔵界大日如来の種子「ア」、向かって右下に地蔵菩薩の種子「カ」、左下に十一面観音菩薩の種子「キャ」を月輪内に刻む

胎蔵界大日を主尊とし、脇侍に地蔵・十一面を配する三尊は珍しい

財前家墓地 阿弥陀三尊種子板碑

財前家墓地(ざいぜんけぼち)阿弥陀三尊種子板碑 (県指定史跡、安山岩、高さ 約90Cm)

頭部は低い山形、下に二条線、額部は突出する。身部上方に月輪を線刻し、内に阿弥陀三尊の種子を刻む。下方の銘文は不明。

側面は、頂部から身部・根部に至るまで、緩やかなカーブで湾曲させる

身部上方、阿弥陀三尊の種子

上に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を月輪内に刻む

財前家墓地(ざいぜんけぼち)板碑群

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財前家墓地(ざいぜんけぼち)

墓地中央、基壇上に立つ三基の国東塔を中心として、北側(向かって右側)に板碑群が立っている

 板碑(いたび)

*豊後高田方面からだと走水峠の手前を南へ、一畑トンネルを抜け、少し下ると左側に財前家墓地がある。平成20年11月に田原家五重石塔・ 田原若宮八幡社国東塔を見て、財前家墓地に行く予定だったが、時間がなくて財前家墓地に行けなかった。 田原若宮八幡社からだと、県道31号線を北に進めばよい。

(撮影:平成23年3月17日)