鵜殿(うどの)磨崖仏(佐賀県唐津市相知町相知和田)
鵜殿(うどの)磨崖仏群は、修験道の中心である不動明王像が多数刻まれ、密教的色彩が濃厚な場所である。
磨崖仏群の正面(南面)に刻まれた四尊から、右側(東側)に少し離れた岩肌に刻まれている。持国天・多聞天の両天部より遅れて刻まれた。
鵜殿(うどの)磨崖仏、金剛界大日如来坐像 (県指定史跡、凝灰岩)
岩肌を彫りくぼめ、智拳印を結ぶ金剛界大日を刻む。大日は、顔面と台座の部分を欠損する。右脇の穴の奥に、胎蔵界大日が刻まれている |
鵜殿(うどの)磨崖仏、胎蔵界大日如来
金剛界大日の右手に通り抜けの穴があり、下方に数体の仏像、その上に禅定印を結ぶ胎蔵界大日が刻まれている。
正面(南面)西側の磨崖仏
磨崖仏群の正面(南面)に刻まれた四尊から、左側(西側)崖の上方に十二体の諸仏を各々の龕内に刻み、西端に不動三尊を刻む。
正面(南面)西側の磨崖仏
小龕内に刻まれた諸仏と西端の不動明王
小龕内に刻まれた仏像は、各々印相が異なり、合計 十二体刻まれている。十一面観音が、本面と併せて十二の面を持つごときである。
磨崖仏群で十一面観音は、正面の中心的位置にあり、東端をまわり込んだ壁面にも刻まれており、十一面信仰があったことがうかがわれる。
不動明王の右横の仏坐像 | 向かって右から七体目の仏坐像 | 向かって右から二体目の仏坐像 |
正面西側の仏坐像
磨崖仏群の正面(南面)、西端に刻まれている。中尊は不動明王、脇侍に矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制叱迦童子(せいたかどうじ)を刻む。
鵜殿(うどの)磨崖仏、不動三尊像 (県指定史跡、凝灰岩)
中尊の不動明王は、右手に利剣、左手に羂索を持つ通常の形、向かって右下に合掌する矜羯羅童子(こんがらどうじ)、左下に制叱迦童子(せいたかどうじ)を刻む。
制叱迦童子(せいたかどうじ)
三尊の向かって左側の脇侍。通常は右手に棒を持つが、壁面から出てくる蛇(へび)を握っている。
鵜殿(うどの)磨崖仏(4)(不動明王・十一面観音像) 石仏と石塔-目次!
西側、浸食洞の内部
不動明王を中心に、新しい小石仏が多数安置されている。
*JR唐津線 「相知(おうち)駅」下車、西方向へ 約1.8Km。相知駅構内に、観光者用無料レンタサイクルがある。
(撮影:平成24年1月28日)