西見寺(さいけんじ)薬師三尊種子板碑

 西見寺(さいけんじ)(埼玉県比企郡川島町吹塚232)

  主尊に薬師如来、脇侍に観音・地蔵を配した珍しい板碑で、南北朝時代初期 建武元年(1334)の紀年銘がある。

西見寺 薬師三尊種子板碑 (南北朝時代初期 建武元年 1334年、緑泥片岩、高さ 150Cm 下幅 40Cm)

身部上方、薬師如来の種子「バイ」、下に観音の種子「サ」、地蔵の種子「カ」を蓮華座上月輪内に刻む。下方に光明真言と紀年銘を刻む

薬師三尊は通常、中尊に薬師、脇侍に日光・月光菩薩を刻むが、本板碑は脇侍に観音・地蔵を配する珍しい配置になっている。

板碑 頂部

頭部山形、下に二段の切込。身部は一重線の輪郭を巻く

身部上方、蓮華座上月輪内に薬師三尊を種子で刻む 中央に亡き父の法名、左右に光明真言、下部に紀年銘を刻む

身部上方は、上に大きく薬師如来の種子「バイ」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に地蔵菩薩の種子「カ」を薬研彫する。

下方中央は、蓮華座上に亡き父の法名「先孝了心禅門覚霊」その左右に光明真言を梵字で刻み、下端の左右に紀年銘を刻む。

光明真言

「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」「シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ」「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑 下端の紀年銘

左右に、「建武元年(1334)甲戌」「七月十二日」と刻む

二基並んで立つ板碑

向かって右は、仁治二年(1241)銘 阿弥陀一尊種子板碑

 本川俣墓地(ほんかわまたぼち)阿字一尊種子板碑                石仏と石塔-目次!

西見寺(さいけんじ)本堂 (真言宗智山派)

 板碑(いたび)

*JR高崎線 鴻巣駅前から東武バス ウエスト 川越行きに乗車、「八ツ林バス停」下車、西方向へ 約600m。

(撮影:平成23年11月2日)