金道院(こんどういん)板碑群

  「金道院」の正式名称は、「蓮生山金道院 観福寺」といい、地図には「観福寺」で載っている。

金道院 建長八年銘 阿弥陀種子板碑(断碑)

 金道院(こんどういん)(観福寺)(埼玉県加須市平長101-1)

金道院 阿弥陀一尊種子板碑(断碑)(鎌倉時代中期 建長八年 1256年、緑泥片岩、高さ 119Cm 下幅 59Cm)

板碑の上半部を欠失する。残部は、上方に阿弥陀種子の下半と蓮華座が残る。下方は、中央に紀年銘、左右に観無量寿経に出る偈(げ)を刻む。

板碑 阿弥陀種子部

蓮座上に薬研彫された阿弥陀如来の種子「キリーク」の下半が残る。

身部下方の刻銘

中央に「建長八年(1256)丙辰、九月日」、左右に各二行で「観無量寿経に出る偈(げ)」を刻む。

偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)、念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)

[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]

金道院 応安七年銘 阿弥陀種子板碑

 金道院(こんどういん)(観福寺)(埼玉県加須市平長101-1)

金道院(こんどういん)阿弥陀一尊種子板碑 (南北朝時代中期 応安七年 1374年、緑泥片岩)

頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻き、上方に阿弥陀種子を蓮座上に、下方に紀年銘と観無量寿経に出る偈を刻む。

身部、下方の刻銘

中央に「應安七年(1374)十二月七日、口阿弥陀仏」、左右に各一行で「観無量寿経に出る偈(げ)」を刻む。

偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)十方世界(じっぽうせかい)」、「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)摂取不捨(せっしゅふしゃ)

[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず。]

金道院 正和二年銘光明真言板碑(断碑)

 金道院(こんどういん)(観福寺)(埼玉県加須市平長101-1)

金道院(こんどういん)光明真言板碑 (鎌倉時代後期 正和二年 1313年、緑泥片岩)

板碑の上半部を欠失する。残部は、上方に蓮座が残り、下方に四行で「光明真言」、中央下方部に紀年銘を刻む。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ」「マ、カー、ボ、ダラ」「マ、ニ、ハン」「ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

光明真言を誦(じゅ)して土砂を加持し、それを遺体に散ずれば、罪障を除き西方極楽浄土に往生できるとされた。

身部下方は、四行で光明真言を刻み、根部は薄く突出する。 刻銘:「正和二年(1313)十二月、十、日」

金道院(こんどういん)板碑群

阿弥陀種子板碑の前に立っている。

 常泉院(じょうせんいん)阿弥陀三尊種子板碑                  石仏と石塔-目次!

金道院 阿弥陀一尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代中期 弘安三年 1280年)

 板碑(いたび)

*東武伊勢崎線 加須駅南口から加須市内循環バス 西コースに乗車、「みずほの里入口バス停」下車 南西方向へ 約250m。左記バスは本数が少ない為、加須駅から北へ約250mの場所にある「加須市商工会館」で無料のレンタサイクルを借りると便利。

(撮影:平成24年4月24日、平成25年3月7日)