龍興寺(りゅうこうじ)(埼玉県加須市上崎1890)
板碑上方を欠失し、コンクリート枠で補強する。身部に偈(げ)と鎌倉時代中期 文永二年(1265)の紀年銘を大きく刻んでいる。
龍興寺(りゅうこうじ)板碑 (鎌倉時代中期 文永二年 1265年、緑泥片岩、高さ 129Cm 下幅 42Cm)
残存部の上方に蓮華座が残り、その下、身部は二重線の輪郭を巻く。輪郭内中央に紀年銘、左右に「往生要集」に出る偈(げ)を刻む |
板碑 残存部上方
上方に蓮華座を残し、下方に二重線の輪郭を巻く。
残存部の刻銘 | 刻銘:「文永二年(1265)」 |
刻銘は、中央に「文永二年(1265)六月乙丑日」、左右に「往生要集」に出る偈(げ)を刻む。
偈(げ):「極重悪人 無他方便」 「唯称念仏 得生彼国」
往生要集では、第四句が「得生極楽」になっているが、ここでは「得生彼国」と刻まれている。
極重悪人 → | 無他方便 → | 唯称念仏 → | 得生彼国 |
往生要集の偈(げ)
「極重悪人(ごくじゅうあくにん)、無他方便(むたほうべん)」 「唯称念仏(ゆいしょうねんぶつ)、得生彼国(とくしょうひこく)」
[ 極重悪人には他の方便(てだて)なし、ただ念仏をとなえれば、極楽に生まれることができる ]
板碑は、上部を欠くも、草書体の文字が美しく、格調高い。 | 板碑、側・背面 |
龍興寺(りゅうこうじ)阿弥陀一尊種子板碑(鎌倉時代、緑泥片岩、高さ 131Cm 下幅 47Cm)
龍興寺(りゅうこうじ)本堂 (臨済宗円覚寺派)
*JR高崎線「鴻巣駅」東口から鴻巣市バスフラワー号 広田・共和コース(左回り)に乗車、「上会下新田バス停」下車 北方向へ 約1.2Km。又は、東武伊勢崎線「加須駅」から北へ約250mの場所にある「加須市商工会館」の無料レンタサイクルを利用するのが便利。
(撮影:平成24年4月24日)