寿命院(じゅみょういん)釈迦三尊種子板碑

 寿命院(じゅみょういん)(埼玉県北本市深井4-55)

  板碑は二基とも、釈迦三尊を刻む同型の板碑で、室町時代後期 天文二十四年(1555)の在銘。下方に多くの人名が刻まれている。。

寿命院 釈迦三尊種子板碑(中央)(室町時代後期 天文二十四年 1555年、緑泥片岩、 下幅 47Cm)

頭部山形。身部は天蓋の下、蓮華座上月輪内に釈迦三尊の種子、三具足・前机の仏具、下方に紀年銘、多数の人名を刻む

三尊は、上に大きく釈迦如来の種子「バク」、向かって右下に文殊菩薩の種子「マン」、左下に普賢菩薩の種子「アン」が蓮華座上月輪内に刻まれている。

板碑 頭部

頭部は、山形の一部を欠損する。下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く

身部上方、天蓋の下、釈迦三尊種子、三具足、前机を刻む 身部下方、中央に紀年銘、左右に二十八名の人名を刻む

三尊種子の両側に光明真言、下方中央に「天文廿四年(1555)十一月吉日」の紀年銘、左右に二十八名の人名が刻まれている。

 寿命院 釈迦三尊種子板碑

  二基は、同じ天文二十四年(1555)の十二月と十一月の造立で、刻まれている人名の数は、33名と28名。それ以外は同形の板碑。

寿命院 釈迦三尊種子板碑(室町時代後期 天文二十四年 1555年、緑泥片岩、高さ148Cm 下幅 48Cm)

頭部山形。身部は天蓋の下、蓮華座上月輪内に釈迦三尊の種子、光明真言、三具足・前机の仏具、下方に紀年銘、多数の人名を刻む

埼玉県の在銘板碑中、天蓋(てんがい)が刻まれている比率は、約2.5%で低いが、1440年代~1490年代(室町時代)に比較的多く作られている

板碑 頭部

頭部山形、下に二条線、身部は一重線の輪郭を巻く

身部 下方

下方中央に「天文廿四年(1555)十二月吉日」の紀年銘、左右に三十三名の人名が刻まれている。

 川辺(かわべ)の板碑(阿弥陀種子板碑)                       石仏と石塔-目次!

寿命院(じゅみょういん)板碑群

覆屋の下、一列に立てられている。向かって左端は建治二年(1276)、右端は建長三年(1251)銘の板碑。

 板碑(いたび)

*JR高崎線 北本駅東口から鴻巣駅経由免許センター行きバスに乗車、「東間バス停」下車、北東方向へ徒歩 約14分。鴻巣駅前にレンタサイクルがあり、便利に利用できる。

(撮影:平成23年11月2日)