勝願寺(しょうがんじ)(埼玉県鴻巣市登戸369)
同じ姿の地蔵菩薩が六体刻まれている図像板碑(断碑)で、南北朝時代中期 康安二年(1362)の紀年銘がある。
勝願寺六地蔵図像板碑(断碑))(市指定文化財、南北朝時代中期 康安二年 1362年、緑泥片岩、高さ 131Cm 下幅 52Cm)
勝願寺の墓地入口に、上半を欠損して立っている。身部は蓮華座の下に六体の地蔵菩薩、観無量寿経の偈(げ)、紀年銘を刻む |
板碑 中部
蓮華座から上を欠失する
同じ姿の地蔵菩薩が六体刻まれている。 | 刻銘:「康安二年(1362)十一月廿五日」 |
六体の地蔵菩薩の下には、観無量寿経の偈(げ)、「康安二年(1362)十一月廿五日」の紀年銘、五名の人名が刻まれている
地蔵菩薩 上部三体
地蔵は頭光を負った姿で、蓮華座上に立ち、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ
地蔵菩薩 下部三体
地蔵は頭光を負った姿で、蓮華座上に立ち、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ
身部 下方
銘文は中央に南北朝時代中期「康安二年(1362)十一月廿五日」の紀年銘、
左右に観無量寿経の偈(げ)「光明遍照、十方世界」「念仏衆生、摂取不捨」を刻む。
下部に「性佛、道一、希善」「八郎五郎、契裕」の人名を刻む
地蔵信仰による板碑で、六体の地蔵を刻む珍しいもの | 板碑、側・背面 |
観無量寿経に出る四句の偈(げ)
偈(げ):「光明遍照(こうみょうへんじょう)、十方世界(じっぽうせかい)」「念仏衆生(ねんぶつしゅじょう)、摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
[ 光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生をば摂取して捨てたまわず ]
金乗寺(こんじょうじ)仁治三年銘 図像板碑 石仏と石塔-目次!
勝願寺(しょうがんじ)本堂 (真言宗豊山派)
正元元年(1259) 浄土宗第二祖 然阿上人により浄土宗として開山された。元和元年(1616)に転宗、真言宗となった。
*JR高崎線「鴻巣駅」下車、北西方向へ 約2.4m。鴻巣駅前にレンタサイクルがあり、便利に利用できる。
(撮影:平成23年11月2日)