不動寺(ふどうじ)(埼玉県大里郡寄居町富田2024)
下方中央に供花を入れた花瓶を刻んだ板碑で、鎌倉時代中期 康元二年(1257)の紀年銘がある。供花を入れた花瓶を刻んだ板碑としては、最も古いものの一つ。
不動寺阿弥陀一尊種子板碑(町指定文化財、鎌倉時代中期 康元二年 1257年、緑泥片岩、高さ 156Cm 幅 60Cm)
板碑は、門前左手の土壇上に立つ。身部は、線刻蓮華座上に大きく阿弥陀の種子「キリーク」を薬研彫し、下方に宝瓶と銘文を刻む |
板碑 頭部
頭部山形で山形の二片を斜めに削る。下に二条線、側面は切込。身部は一重の輪郭を巻く
身部上方、線刻蓮華座上に阿弥陀の種子「キリーク」を刻む | 身部下方中央、宝瓶三茎蓮、中央の花が大きく優美 |
板碑 下方
中央に宝瓶三茎蓮、左右に「康元二年(1257)丁未二月日」「口口蔵主、生年七十四」の銘文を刻む
尚、供花を入れた花瓶(宝瓶三茎蓮)を刻んだ板碑としては、最も古いものの一つ。
刻銘:「口口蔵主、生年七十四」 | 刻銘:「康元二年(1257)丁未二月日」 |
板碑下部の刻銘
板碑側面、頂部山形の部分が、前後、斜めに削られている | 板碑背面、荒仕上げではなく、仕上げの手が入っている |
不動寺(ふどうじ)阿弥陀三尊種子板碑
不動寺阿弥陀三尊種子板碑(年代不明、緑泥片岩、高さ 168Cm 下幅 68Cm 厚さ 11.2Cm)
阿弥陀一尊種子板碑の後方に立ち、頭部山形は欠損する。身部は、阿弥陀三尊の種子を刻むが、磨滅が激しい。
不動寺 本堂 (真言宗智山派)
*東武東上線「男衾(おぶすま)駅」下車、南方向へ 約800m。
(撮影:平成23年10月30日)