石山寺(いしやまでら)多宝塔(大津市石山寺1-1-1)

  天平19年(747年)聖武天皇の勅で建立されたと伝えられる、東寺真言宗の別格本山。西国三十三所観音霊場の十三番札所

石山寺多宝塔(国宝、鎌倉時代初期 建久5年 1194年建立、桧皮葺、高さ 17.2m)


優美な塔は現存する多宝塔のなかで最も美しいといわれている

上重、組物は四手先組物、軒は二軒繁垂木

下重、組物は出組、軒は二軒繁垂木、柱は方柱

   石山寺多宝塔(国宝)は現存する最古の多宝塔

石山寺は聖武天皇の勅願により良弁上人が天平19年(747年)に建立されたと伝える

塔は擬宝珠(ぎぼうしゅ)高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


上重の四手先組物。亀腹も小さくバランスが取れている

屋根は桧皮葺で軒の反りが美しい

東大寺大仏の建立に際して、金の不足に悩んでいたところ、当地に寺院を建立すればそれが果たせるとの夢告があり造立に及んだという

多宝塔 本尊大日如来坐像(重文、快慶作、鎌倉時代、像高 96.7Cm)

塔の内部は四天柱の後方二本間に来迎壁を設け須弥壇に大日如来を安置する

四天柱に各十六体の仏像が描かれていたが現在ではほとんど剥落している


下重、軒の風鐸

下重、組物は出組を用いる

  多宝塔は、上重の塔身幅に比べ下重の平面が広く、均整がとれていて美しい。見ているだけで心が落着く

石山寺本堂(国宝)内部

本堂内の「源氏の間」は紫式部が「源氏物語」を書いたところと伝えられている

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石山寺の名のもとになった奇岩(硅灰石)の後方に多宝塔が建つ

(平成17年4月23日撮影)