志那神社(しなじんじゃ)(滋賀県草津市志那町727)
プロポーションの良い南北朝時代の宝塔で完存する。基礎正面の一仏二茎蓮の文様は、他に例を見ない。
志那神社(しなじんじゃ)石造宝塔(市指定文化財、南北朝時代、花崗岩、高さ 254Cm)
笠、軒口厚く、頂部に露盤、四隅に降棟、軒下に三段の斗栱形を刻出する | ||
完存する石造宝塔は、社殿の向かって左側に立っている | 首部、二段で、下に縁板状をつくる |
塔 身
塔身は、正面のみ扉型を浮彫にする。
相輪は下から、伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠で、完存する。大型でプロポーションの良い石塔で、基礎の近江文様も美しい。 |
基礎 正面
基礎正面は、輪郭を巻き格狭間内に、二茎蓮と仏坐像を刻む。一仏・二茎蓮の文様は、これのみで大変珍しい。
笠の軒口は厚く、おだやかに反り、降棟の先端には稚児棟がつく。塔身は、鎌倉後期中頃以降、縁板状の上に高欄・首部と二段になっていく |
基礎 側面・背面
両側面は輪郭を巻き格狭間内に三茎蓮を刻む。背面は無地で、刻銘もない
志那神社(しなじんじゃ)
祭神は志那津彦命、伊咲戸主命(いぶきどぬしのみこと)を祀り、平安時代には社殿があったと考えられている。
本殿は、重要文化財指定で鎌倉時代後期 永仁六年(1298)、大工 藤井宗近により建てられたことが棟木に記されている。
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*JR東海道本線 草津駅西口より近江鉄道バス 琵琶湖博物館方面行に乗車、「北大萱バス停」下車、西北方向へ徒歩 約14分。
(撮影:平成23年10月19日)