地福寺(じふくじ)釈迦・阿弥陀種子双式板碑

 地福寺(じふくじ)(千葉県香取市大戸594)

  板碑覆屋の背面、向かって右端に安置。碑面に釈迦如来と阿弥陀如来の種子を並列に刻んだ板碑で、鎌倉時代後期 嘉元四年(1306)の紀年銘がある。

地福寺(じふくじ)釈迦・阿弥陀種子双式板碑(鎌倉時代後期 嘉元四年 1306年、黒雲母片岩、高さ 92Cm 幅 66Cm)

身部は、向かって右に釈迦種子「バク」、左に阿弥陀種子「キリーク」を並列に、左右に造立趣旨と紀年銘を刻み、天蓋と蓮座で荘厳する。

刻銘は、向って右に「右志者為過去慈父悲母聖霊成仏得道也」、左に「嘉元二二(四)(1306)、丙午、十二月十五日施主敬白」の刻銘がある。

亡き父母の成仏得道を願って、鎌倉時代後期 嘉元四年(1306)十二月十五日に本板碑が造立された。

板碑 頭部

頭部山形を損傷、身部最上部に二尊の天蓋を各々刻んでいる。

天蓋は、長い瓔珞(ようらく)を垂らすが、種子の上部でとまっている。

嘉元二二(四)丙午、十二月十五日施主敬白 右志者為過去慈父悲母聖霊成仏得道也

板碑の刻銘

 地福寺(じふくじ)阿弥陀三尊・釈迦一尊種子板碑

  板碑覆屋の背面、向かって右から二基目の下総型板碑で、阿弥陀三尊の種子と釈迦如来の種子を並列に刻む。横幅のある下総型板碑の特徴を持つ。

地福寺(じふくじ) 阿弥陀三尊・釈迦一尊種子板碑(年代不明、黒雲母片岩、高さ 82Cm 幅 75.5Cm)

頭部山形、下に二条線。身部は、左右に輪郭を線刻し、向かって右側に釈迦三尊の種子、左に釈迦如来の種子を刻む。主尊の阿弥陀と釈迦は、天蓋と蓮台で荘厳する。

頭部山形の中央に一字金輪(いちじきんりん)の種子「ボローン」が刻まれている。一字金輪は、仏頂尊のなかで、最も尊い徳を持つ仏。

 地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊種子板碑

  板碑覆屋の背面、向かって右から三基目の下総型板碑で、阿弥陀の種子中央に刻む。

地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊 種子板碑(年代不明、黒雲母片岩、高さ 96Cm 幅 65.5Cm)

頭部山形、下に二条線。身部は、輪郭を巻き内に阿弥陀如来の種子「キリーク」を大きく刻む。主尊の阿弥陀は、天蓋(てんがい)と蓮座で荘厳する。

板碑 収容覆屋 背面、向かって右三基

 地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊種子板碑

  板碑覆屋の背面、向かって左から二基目の下総型板碑で、阿弥陀の種子中央に刻む。

地福寺(じふくじ)阿弥陀一尊 種子板碑(年代不明、黒雲母片岩、高さ 71Cm 幅 34Cm)

頭部山形、下に二条線。身部は、輪郭を巻き内に阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する。主尊の阿弥陀は、特長のある天蓋(てんがい)と蓮座で荘厳する。

 山之辺(やまのべ)路傍 阿弥陀三尊種子双式板碑                 石仏と石塔-目次!

板碑 収蔵の覆屋 (背面、板碑群)

 板碑(いたび)

*JR成田線 「大戸駅」下車、南東方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成23年11月3日、平成25年3月12日)