新勝寺(しんしょうじ)阿弥陀一尊種子板碑

 新勝寺(しんしょうじ)(千葉県成田市成田1)

  成田山 新勝寺 光明堂裏側、奥之院入口の石垣にはめ込まれている下総型板碑で、室町時代初期 明徳五年(1394)の紀年銘がある。

新勝寺 阿弥陀一尊種子板碑 (県指定文化財、室町時代初期 明徳五年 1394年、粘板岩、高さ 148Cm 幅 88Cm)

身部は、天蓋の下に阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫し、左右両端に造立趣旨、下方に紀年銘を刻む

身部 上方 天蓋(てんがい)

頂上に宝珠を飾り、左右の先端に蕨手(わらびて)を出し、瓔珞(ようらく)を垂らす。

天蓋の下、阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に薬研彫りする 刻銘:「明徳五年(1394)、甲戌

身部 下方

台座の下、左右に「明徳五年(1394)甲戌」、「八月彼岸」、中央に「施主等、敬白」と刻む。

板碑、向かって左端の刻銘 板碑、向かって右端の刻銘

板碑 両端の刻銘

右側刻銘:「右志趣者為逆修善根、契約人々等建立」

左側刻銘:「自性之石塔欲領七分全得功徳、乃至法界平等利益」

生前に自分達の為、死後の供養を行う逆修塔として造立された。左側に刻まれている「七分全得(しちぶんぜんとく)」とは、死者の追善供養をした場合、

供養した人が受け取る福は、福を七分として六分を受け、一分は死者が受ける。自分の為に逆修供養をすれば、死者の一分も受け取ることができる。・・

すなわち「七分全得」となる。死後に修される初七日・二七日・三七日・四七日・五七日・六七日・七七日の法事をふまえて福の100%を七分としたと思われる。

奥之院

石垣にはめ込まれている板碑。入口の横、向かって右側 一基目が本板碑。

新勝寺三重塔(重要文化財、江戸時代 正徳二年 1712年、銅板葺、高さ 約25m)

塔は正徳2年(1712)に建立され、宝暦7年(1757)、享和元年(1801)、安政5年(1858)に大修理が行われ、昭和58年現在の姿に復元された

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新勝寺(しんしょうじ)本堂 (昭和43年・鉄筋コンクリート)

境内には香が炊かれており、参拝者が煙を体につけ御利益を願っている

 板碑(いたび)

*京成電鉄「成田駅」下車、北方向へ徒歩 約10分。JR成田駅下車、北方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成26年10月2日、平成23年11月3日、平成17年2月13日