小俣(おまた)阿弥陀三尊図像板碑(栃木県足利市小俣町2491-1)
装飾性豊かな板碑で、栃木県下 最大。写真では風化が目立つが、拓本では極めて美しい姿を見せている。鎌倉時代中期 文永十二年(1275)の造立。
小俣 阿弥陀三尊図像板碑(県指定文化財、鎌倉時代中期 文永十二年 1275年、緑泥片岩、高さ 188Cm 幅 43Cm)
身部は、美しい瓔珞のついた天蓋の下、蓮華座上に阿弥陀三尊立像、下方に願文・紀年銘・造立者名を刻む |
中尊の阿弥陀如来は、像の周りと頭光を彫り下げ半肉彫りにする。全体に風化が進んでいる。
身部の二線で輪郭をつくった内側に、一片、二片、三片と連続して刻まれた散蓮華が、阿弥陀三尊とあいまって板碑の装飾性を高めている。
板碑 頭部
頭部は低い山形で古風を示す。下に二段の切込、身部は二線で輪郭をつくり、内に散蓮華を刻む。
阿弥陀三尊 脇侍
向かって右に観音、左に勢至、両尊とも お顔は半肉彫り、身部を線刻する。
身部 下方
脇侍の下、草書体で「右為、性阿弥陀仏、成仏得道、文永十二年(1275)、乙亥、三月日、行忍、敬白」と刻む。
亡き妻 性阿弥陀仏の成仏得道を願って、文永十二年三月に夫 行忍が造立した。
身部の二線で輪郭をつくった内側に、一片、二片、三片と連続模様の散蓮華が美しく刻まれている。
阿弥陀堂(小俣板碑)
板碑は、堂内に安置されている。
*JR両毛線「小俣駅」下車、 北方向へ 徒歩 約23分。
(撮影:平成24年4月23日)