海禅院(かいぜんいん)多宝塔(和歌山市和歌浦中3-4-28)

  紀州徳川家初代藩主徳川頼宣により建立された多宝塔。景勝和歌浦のシンボルでもある

海禅院多宝塔(市指定文化財、江戸時代 承応二年 1653年、本瓦葺、高さ 約13m)


上重、四手先組物、軒は扇垂木

下重、出組、軒は二軒繁垂木

塔は高欄のない縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間板張り、中備えは中央間のみ蓑束、背面中央間は蛙股

この地は慶安二年(1649)、紀州初代藩主徳川頼宣の生母養珠院(ようじゅいん:お万の方)が亡夫徳川家康の

三十三回忌追善供養のため、多数の小石に書写した法華経題目を妹背山に埋納し、その上に小堂を建てたのに始まる


上重、四手先組物

下重、二軒繁垂木

承応二年(1653)、養珠院が亡くなると頼宣は母を弔うため多宝塔を建立した

塔の内部には題目碑を安置、背面には建立の由来が書されている(市教育委員会案内板)


下重、背面中備え中央間の蟇股

木製、六葉の釘隠(くぎかくし)

多宝塔は名勝和歌浦のシンボルとして有名である

瓦には徳川家の紋が入っている

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紀三井寺から400m/mズームで撮った妹背山。手前の建物は観海閣

観海閣は初代紀州藩主徳川頼宣(よりのぶ)が紀三井寺を遠望する位置に建立した

*南海市和歌山駅・JR和歌山駅より和歌山バス、玉津島神社前下車すぐ。

(平成18年2月11日撮影)