長遠寺(ちょうおんじ)多宝塔(尼崎市寺町10)
尼崎、寺町ある日蓮宗の寺院。観応元年(1350年)日恩上人の開基という
長遠寺多宝塔(重要文化財、桃山時代 慶長十二年 1607年建立、本瓦葺、高さ 15.39m)
上重部(高欄・四手先組物・二軒繁垂木) |
|
下重、二手先組物、軒は二軒繁垂木 |
長遠寺は、南北朝時代の観応元年(1350)に永存院日恩(えいそんいんにちおん)上人により開かれたと伝える
塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えの中央間蟇股、脇間は蓑束
上重の四手先組物 |
|
下重の二手先組物 |
塔身は円形で軒反りの形がよく、組物や蛙股などの形態に桃山時代の特徴が表われている。昭和35年に大修理を行った
下重、四隅の鬼瓦
下重の着色された手挟み |
|
下重、中備えの蟇股(竜の彫刻) |
長遠寺は、はじめ尼崎の北、七ツ松に草創されたといわれ、その後市場・巽(辰巳)、
現在の東本町にあたる地に再興され、元和年間(1615-24)の尼崎城築城に際して現在地に移転された
多宝塔の棟札には、慶長十二年(1607)とあり、移築されたものと考えられている
本堂(重要文化財、江戸時代初期 元和9年 1623年再建、入母屋造、本瓦葺)
*阪神電鉄 尼崎駅下車 徒歩約7分。
(平成18年12月9日撮影)