普門寺(ふもんじ)三重塔(岩手県陸前高田市米崎町字地竹沢181)
小振りだが見所の多い禅宗様の三重塔をもつ曹洞宗の寺院
普門寺三重塔(県指定文化財、江戸時代 文化六年 1809年、銅板葺、高さ 12.5m)
三層部、扇垂木、組物は三手先 |
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二層部、軒は垂木を設けず全面に彫刻を施す。組物は二手先 |
普門寺は鎌倉時代の仁治二年(1241)に開山され、室町時代後期の永正元年(1504)に浜田城主千葉中務太輔宗綱の再興と伝える
塔は高欄を付した縁をめぐらせ、中央間花頭窓(背面のみ引戸)、脇間板張り、中備えは中央間のみ蟇股
初層全体が厨子のようになり、人が中に入れない
二層部、尾垂木の竜首 |
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初層、二手先組物。木鼻に彫刻を施す |
相輪(写真:右)は層塔型の相輪、通常九個ある九輪が七個しかない
二層部の全面彫刻を施した板軒
普門寺は天正十九年(1591)、慶応三年(1867)の二回火災に遭い堂宇・古文書などを焼失するが三重塔は類焼を免れた
二層部板軒、宝輪の彫刻 |
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初層尾垂木、竜の彫刻 |
三重塔の軒は、三層部が扇垂木、二層部が全面彫刻の板軒、初層部が二軒繁垂木と変化をつけている(写真:左)
屋根は建築当時はこけら葺であったが、昭和三十七年に銅板葺に修復された
裏山から見た三重塔(ペンシル形で弱々しい感じがする) |
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杉の古木が参道の両脇にあり、中央が本堂 |
塔は高さ12.5m、一辺1.65mとかなり小ぶりだが軒の出が大きく小ささを感じさせない
(平成18年5月3日撮影)
*JR大船渡線 脇ノ沢駅下車、徒歩約30分。軒の変化が面白く見ていて飽きなかった。