沢家墓地(さわけぼち)種子石塔婆

 沢家墓地(さわけぼち)(鹿児島県霧島市隼人町神宮5-579-17)

  沢家は、大隅国一之宮 鹿児島神宮の四社家の一つで、年貢を管理する田所職(たどころしき)であったという。鹿児島神宮には、天承二年(1132)に性空上人が、

   建治三年(1227) には、一遍上人が詣でている。墓地の入口近くに三基の石塔婆が建ち、中央の石塔婆には、嘉禎三年(1237)の紀年銘がある。

沢家墓地(さわけぼち)種子石塔婆 市指定文化財、鎌倉時代中期、凝灰岩、高さ 約130Cm)

 沢家墓地(さわけぼち)嘉禎三年銘種子石塔婆

沢家墓地(さわけぼち)種子石塔婆 (市指定文化財、鎌倉時代中期 嘉禎三年 1237年、凝灰岩、高さ 約130Cm)

三基建つ石塔婆の内、中央の石塔婆で方形。石塔婆は、正面にのみ刻銘があり上方に種子、下方に嘉禎三年(1237)の紀年銘を刻む

石塔婆 種子

種子は、音・仏名とも不明。

体文(基本文字)は、「バ」か「サ」か?。「サ」ならば、「サ」に空点・荘厳点・涅槃点を付けているので「サンク」とでも読ませるのだろうか?

刻銘:「嘉禎三年(1237)三月廿一日建立者 永慶」 古い写真では、この塔はなく、後に発見されたと思われる

 沢家墓地(さわけぼち)阿弥陀種子石塔婆

三基建つ石塔婆の内、向かって左側の石塔婆で方形。石塔婆は、正面上方に阿弥陀の種子「キリーク」を薬研彫する。他に刻銘はない

石塔婆 種子

阿弥陀如来の種子「キリーク」が刻まれている。

 沢家墓地(さわけぼち)胎蔵界阿弥陀種子石塔婆

三基建つ石塔婆の内、向かって右側の石塔婆で方形。石塔婆は、正面上方に胎蔵界阿弥陀如来の種子「サン」を薬研彫する

石塔婆 種子

胎蔵界阿弥陀如来の種子「サン」が刻まれている。

種子「サン」は、観音の種子「サ」の上に空点「ン」を付け「サン」。阿弥陀の他に、勢至菩薩の意もあるようだ。

 沢家墓地(さわけぼち)三重石塔                           石仏と石塔-目次!

沢家墓地(さわけぼち) 全景

写真中央の小型層塔は、延応元年(1239)の紀年銘がある。

 板碑(いたび)

*JR日豊本線 「隼人駅」下車、北東方向へ 徒歩 約18分。隼人駅前の県道473号線を北方向に道なりに行く。鹿児島神宮の赤い鳥居のある交差点を左手に見て、更に真直ぐ道なりに歩くと沢家墓地への案内標識がある。

(撮影:平成24年1月24日)