霊山寺(りょうせんじ)三重塔(奈良市中町3873)

 寺伝では、聖武天皇の勅願により天平二年(730年)に行基が開いたという。霊山寺真言宗の大本山

霊山寺三重塔(重要文化財、南北朝時代 文和五年 1356年、桧皮葺、高さ 17.1m)


三層部(間斗束は中央間のみ)

二層部(間斗束は中央間のみ)

屋根は修理前、桟瓦葺・こけら葺・桧皮葺と各層違っていたが現在は桧皮葺に統一されている

インド婆羅門僧 菩提僊那は地層がインドの霊鷲山(りょうじゅせん)に似ているので霊山寺と名づけた

 

塔は、擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも間斗束


軒は二軒繁垂木

組物は三手先組物

霊山寺三重塔の水煙は、鏡をはめ込んだ非常にめずらしい形をしている(写真右)

 

 初層内部には、保存状態の良い極彩色の仏画・装飾文様が遺る


インド婆羅門僧 菩提僊那の墓

行者堂(毎年、堂の前で護摩法要が行われる)

鐘楼(しゅろう)(重要文化財・室町時代 建立)は方一軒の小さなもので、袴腰付鐘楼(写真・左)

三重塔は本堂と谷一つ隔てて建っている

   奈良の塔 百済寺三重塔                                日本の塔-目次

霊山寺本堂(国宝、鎌倉時代 1283年改築、桁行五間、入母屋造、本瓦葺)

軒反りの美しい中世建築

(平成16年10月11日撮影)