蓮台寺(れんだいじ)多宝塔(岡山県倉敷市児島由加2855)

  江戸時代から明治にかけて、四国「こんぴらさん」に参ると共に「由加大権現」に参るとご利益がある、「両まいり」として信仰された

蓮台寺多宝塔(県指定文化財、江戸時代 天保14年 1843年、本瓦葺、高さ 約21m)


上重、平三斗上に回縁をめぐらす。組物は四手先組物、軒は扇垂木

下重、二手先組物、尾垂木に龍頭を彫る。軒は二軒繁垂木

蓮台寺は聖武天皇の勅により行基が開創した。本地弥陀、薬師の二尊を安置し由加大権現と称される

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股


上重、四手先組物の上に象の彫刻らしきものが見える

下重、二手先組物

塔の内部は四天柱と来迎柱があり、五智如来を安置する

下重、隅の尾垂木は玉眼のついた龍頭の彫刻となる。勢いのあるすばらしい彫刻


下重、中備えの蟇股(十二支を刻んでいる)

上重、平三斗

棟札によると、大工棟梁は名工の大塚清左衛門(玉野市)、相輪の鋳造は露盤にのこる刻銘により百済市郎右衛門(津山)と知れる

由加神社本宮(岡山県指定文化財)

紅葉が美しい由加山

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観音堂(江戸時代 享保年間建立)

*前日、岡山に宿泊し、早朝、児島に着いた。路線バスを見ると由加山に行くバスが休日には一本も出ていない。引き返そうかと思ったが、行き帰りタクシーを利用した。多宝塔も思っていたよりもずっと良かった。行ったかいがあった。

(平成17年11月27日撮影)