高正寺 寛元四年銘 阿弥陀三尊種子板碑

 高正寺(こうしょうじ)(埼玉県入間市仏子1511)

  板碑は長く制作年代が不明であったが、平成十年に紀年銘を記録した史料が見つかり、鎌倉時代中期 寛元四年(1246)在銘と判明した。

高正寺 阿弥陀三尊種子板碑 (市指定文化財、鎌倉時代中期 寛元四年 1246年、緑泥片岩、高さ 205Cm 下幅 65Cm)

板碑群 五基、向って右から二基目。頭部山形、下に二段の切込、身部は上方に阿弥陀三尊の種子を刻む。現在、下部は剥落している。

板碑 頭部

頂部山形は尖り気味、下に二段の切込。身部の輪郭はない。

身部、蓮華座なしに直接、「阿弥陀三尊」の種子を刻む。 身部下方、「寛元四年(1246)一月二十日」の紀年銘があった

阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻み阿弥陀三尊とする

平成十年(1998) 山口県萩市の金子氏ゆかりの家から、身部が剥落する前の史料が見つかり「寛元四年(1246)一月二十日の紀年銘が判明した。

阿弥陀三尊の種子は、三尊とも蓮華座は刻まない。 紀年銘の発見により、入間市最古の板碑であることが判明した。

高正寺(こうしょうじ)板碑群

板碑は、左端から文永五年(1268)、建長二年(1250)、宝徳四年(1452)、寛元四年(1246)、観応二年(1351)の紀年銘がある。

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高正寺(こうしょうじ)(曹洞宗)

高正寺は、鎌倉時代初期 この地の豪族 金子余市親範により開かれた。

 板碑(いたび)

*西武池袋線 「仏子(ぶし)駅」下車、南西方向へ徒歩 約7分。

(撮影:平成24年11月8日)