宗清寺(そうせいじ)阿弥陀三尊図像板碑

 宗清寺(そうせいじ)(埼玉県児玉郡美里町白石1953)

  光明真言を漢字で刻んだ珍しい板碑で、南北朝時代中期 応安六年(1373)の紀年銘がある。

宗清寺阿弥陀三尊図像板碑(町指定文化財、南北朝時代中期 応安六年 1373年、緑泥片岩、高さ 218Cm 下幅 51Cm)
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身部は、頭光を負った来迎印の阿弥陀立像を大きく、下方に観音・勢至立像を小さく刻む。阿弥陀の両側に漢字で光明真言を刻む

光明真言(漢字):「唵阿謨伽毘盧舎那麻訶模陀羅麻」、「尼婆頭麻入縛攞婆羅婆利陀耶吽」

光明真言(梵字):「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ、カー、ボ、ダラ、マ、」「ニ、ハン、ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」

板碑 頭部

頭部山形、下に二段の切込、身部は上方と左右に一重の輪郭線を入れる。

板碑は中尊 阿弥陀如来の蓮華座の辺りで折れ、修理が施されている。碑面は、摩耗が激しく、三尊や漢字の光明真言など判別が難しい

本板碑は、松平定信の「集古十種」に「上野国桐生碑」と紹介されている板碑で、桐生の郷土史家により偶然発見されたという。

板碑下方の刻銘

中央に「応安六年(1373)癸丑、七月五日敬白」、上方に円覚経に出る偈(げ)、下方に願文を刻む。

願文:「右意趣者、為過去法界衆生、乃至供養、平等利益故也、願主空浄」

刻銘:「応安六年(1373)、癸丑七月」 観音菩薩立像(中尊 阿弥陀如来の向かって右下)

円覚経に出る偈(げ)

偈(げ):「地獄天宮(じごくてんぐう)皆為浄土(かいいじょうど)有性無性(うしょうむしょう)斉成仏道(さいじょうぶつどう)

[ 地獄も天宮(てんぐう)も皆浄土なり、仏性あるも無きも、ひとしく仏道を成ずる ]

板碑収容 鞘堂

本堂に向かって左手前、施錠された鞘堂内に納められている。

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宗清寺(そうせいじ)本堂 (臨済宗妙心寺派)

 板碑(いたび)

*JR八高線「松久駅」下車、南西方向へ 徒歩 約37分。

(撮影:平成24年4月21日)