邇々杵神社(ににぎじんじゃ)多宝塔(高島市朽木宮前坊)
江戸時代後期に再建された女性的な美しさを感じる多宝塔
邇々杵神社多宝塔(旧村文、江戸時代後期 天保13年 1842年、銅板葺、一辺 3.65m)
上重、四手先組物、軒は扇垂木 |
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下重、組物は出組、軒は二軒繁垂木 |
邇々杵神社(ににぎじんじゃ)は朽木村の東部にある宮前坊の氏神で邇々杵尊(ににぎのみこと)が祭神
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備えは中央間蟇股、脇間蓑束
軒の反りも美しい上重 |
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上重、四手先組物 |
相輪は型の通りで美しい。宝鎖には風鐸を下げる
上重、軒の扇垂木が美しい。組物は四手先、高欄は平三斗で支える
下重、中備えの蟇股 |
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下重、軒が幻想的で心をくすぐる |
多宝塔は、朽木神宮寺に属していたが、邇々杵神社の奥の院とも称されている
塔の内部は四天柱があり、釈迦如来像(鎌倉初期)と二十三体の薬師如来を安置する
邇々杵神社(ににぎじんじゃ)正面
(平成18年2月25日撮影)
*JR安曇川駅下車、江若バスで26分、朽木支所前下車、東へ徒歩約15分。この日は、雪が残っていた。朽木村は奈良時代、建築用材木を安曇川から琵琶湖をへて、淀川、木津川を渡って、東大寺に搬出された記録が残っている歴史のある地方だ。