清水寺(きよみずでら)三重塔(島根県安来市清水町528)
厄払いの寺として信心を集める天台宗の寺院。三重塔は登ることができる
清水寺三重塔(県指定文化財、江戸時代後期 安政六年 1859年、本瓦葺、高さ 33.3m)
二・三層部へは、人が登ることが出来る(写真は三層部) |
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初層、三手先組物で尾垂木が二段になっている |
安来の清水寺は、尊隆上人により用明二年(587)に観音霊場として開かれた
三重塔は一万人の浄財により建立された。文政十年(1827)、恵教和尚のもとで始まり、住職二代、大工三代の悲願の末、三十三年かかり完成した
塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらせ、中央間桟唐戸、脇間連子窓、中備え中央間は立体的な蟇股、両脇間は間斗束
三層部から中海方向への展望 |
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二層部組物。拳鼻に二重螺旋の溝が刻まれている |
清水寺は、大同元年(806)に平城天皇の勅を受け、七堂伽藍が完備された。葬儀を行わない厄よけ・祈祷の寺として発展した
承和十四年(847)、慈覚大師円仁が唐留学の帰路に立ち寄り、光明真言会を創め、これを機に天台宗となる
初層、支輪の下の竜の彫刻 | 初層の中備えは、蟇股の前に花の彫刻を置き立体感を出している |
三層部に祀られている薬師如来 |
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二層部には小塔が祀られている |
初層内陣の厨子には五智如来像が安置されている(写真:左は五智如来のなかの阿弥陀如来)
清水寺根本堂(本堂)(重要文化財、室町時代 明徳四年 1393年、正面七間、奥行き七間、入母屋造、こけら葺)
大門を入り、参道を少し歩いた左側に不動明王の石彫があった |
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大門 |
この三重塔が登れる構造をもつのは入場料をとり、庶民の寄付を集めたためだろう
(平成18年6月4日撮影)
*JR安来駅から地域バスで15分。門前にバス停がある。この清水寺は仏教美術の宝庫といわれ、重文の仏像が多数ある。阪神方面からは米子行きの高速バスが安くて便利。JR米子駅からタクシーで約15分。尚、三重塔は予約の上、登ることができる。