大川家(おおかわけ)石造卒塔婆

 恵性院(えしょういん)(栃木県足利市小俣町1493)

  足利の織物産業を支えた元機(もとばた)の大川家に伝わる卒塔婆で、南北朝時代 延文五年(1360)の紀年銘がある。

大川家 石造卒塔婆(県指定文化財、南北朝時代中期 延文五年 1360年、凝灰岩、高さ 134Cm 幅 40Cm)

五輪塔形 風・空輪、空輪のみ丸彫りで、風輪は浮彫
現在、恵性院本堂背後の墓地、覆屋の中に安置されている 五輪塔形 火輪

石造卒塔婆は厚さ17Cmで、塔身の前面を五輪塔形に浮彫にする。各輪、五輪塔四門の梵字は、刻まれていない。

五輪塔形 水輪

水輪は円形で、胎蔵界大日を示す種子「アク」が刻まれている。

足利の織物産業を支えた元機(もとばた)の大川家に伝わる石造卒塔婆で、通称 「稚児(ちご)の碑」と呼ばれている。

同様の古いものに、奈良県生駒市の谷田(たにだ)五輪塔板碑(文永五年 1268年)や三重県津市の賢明寺 板石五輪塔(弘安八年 1285年)がある

五輪塔形 地輪

七行の刻銘があり、梵文「光明真言」「延文五年(1360)、庚子、一月日の紀年銘を刻むという。

基 礎

四面とも刻銘はない。

大川家 石造卒塔婆(県指定文化財、南北朝時代中期 延文五年 1360年)

 無量院(むりょういん)阿弥陀種子板碑(安山岩製)                  石仏と石塔-目次!

恵性院(えしょういん)(真言宗豊山派)

 板碑(いたび)

*JR両毛線「小俣駅」下車、 北北東方向へ 約900m。

(撮影:平成24年4月23日)