鎮国寺(ちんこくじ)阿弥陀石塔婆

 鎮国寺(ちんこくじ)(福岡県宗像市吉田966)

  藤原時代(平安時代後期)最古の在銘石像彫刻で、平安時代後期 元永二年(1119)の紀年銘がある。

鎮国寺阿弥陀石塔婆 (県指定文化財、平安時代後期 元永二年 1119年、砂岩、高さ 125Cm)

鎮国寺の南西、丘陵の上に立つ。板状自然石の表面上方に、阿弥陀如来坐像を薄肉彫りし、下方に六行にわたり銘文を刻む

石塔婆 頭部

向かって右側頂部を欠いている

二重円光背を負う阿弥陀像は、蓮華座上に結跏趺坐し、上品中生印を結ぶ。彫刻は、全体を浮彫にし、細部を線刻にする。

石塔婆 下方の刻銘

刻銘:「願主沙弥妙法記、奉造立十二万本率塔婆、金銅阿弥陀像数体仏菩薩像等、

奉写蓋幡花鬘宝樹六鳥楽妓、極楽郷池中弥勒仏頭十三華十四舞勒、元永二年(1119)十一月七日、建立了」

沙弥妙法の造立になる石塔婆は、藤原時代(平安時代後期)最古の在銘石像彫刻で、時代の基準作となる貴重な遺品。

二重円光背は太い帯状に、螺髪の肉髻は高く、額に白毫、喉(のど)に三道を表し、衲衣も軽やかに刻まれ、膝の衣紋は渦紋に刻まれている。

奥の院参道 八十八ヶ所巡拝路 石標

阿弥陀石塔婆は、第八十番 十一面観音石像の横に立っている。

 植木観音堂(うえきかんのんどう)曼荼羅 石塔婆                  石仏と石塔-目次!

鎮国寺(ちんこくじ)(真言宗 御室派)

 板碑(いたび)                                             石  仏-紀年順-目次

*JR鹿児島本線 東郷駅前から西鉄バス 神湊波止場行きに乗車、「宗像大社バス停」下車 北東方向へ徒歩 約10分。

(撮影:平成24年1月30日)