福島県の塔

 高蔵寺(こうぞうじ)三重塔(福島県いわき市高倉町鶴巻50)

  いわき市の保存樹林に指定されている杉林に三重塔が映える

高蔵寺三重塔(県指定文化財、江戸時代 安永8年 1779年、銅板葺、高さ 15.8m)


三層部、高欄はない。組物は三手先

二層部、三層部と同じ。中央間に楕円形の格子窓がつく

高蔵寺は寺伝によれば、平安時代の前期にあたる大同二年(807)徳一大師により開かれた

塔は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、正面は中央間桟唐戸、脇間如意花頭窓、

側面は中央間引戸、脇間板壁、背面は三間とも板壁。中備えはなし


二層部、軒の垂木が美しい

初層部、軒は二軒繁垂木、組物は三手先組物

丈の短い相輪は、大きな九輪が紡錘形で、その上に一段の蓮弁と火焔のついた宝珠をおく

観音堂には開祖徳一大師が刻んだ千手観音が安置され、現在いわき三十三観音の第六番札所として栄えている

塔の内部には徳一大師の坐像を安置する 塔内部、唐破風の上に心柱が見える

うっそうとした杉木立の中に陽光が射し、厳かな雰囲気をつくっている

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初層の尾垂木と拳鼻

千手観音を祀る観音堂(昭和60年再建)

三重塔の屋根は、もとこけら葺で今は銅板葺。昭和50年に銅板葺屋根の葺替工事が行われている

*JR植田駅下車、徒歩約30分。

(平成18年3月18日撮影)