法宝寺(ほっぽうじ)宝篋印塔

 法宝寺(ほっぽうじ)(兵庫県朝来市和田山町岡田194)

   宝篋印塔は、塔身の上下が蓮弁式の珍しいもので、南北朝時代の作品と推定されている。

法宝寺(ほっぽうじ)宝篋印塔 (県指定文化財、南北朝時代 、花崗岩、総高 155Cm)

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、キリーク:阿弥陀如来)
宝篋印塔は境内の左端、植込みの中に立っている 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(左面、アク:不空成就如来)

笠の下端は珍しい蓮弁、上方は六段の段型、隅飾は二弧輪郭付で内に月輪を陽刻し種子を陰刻する。

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(背面、ウーン:阿閦如来)
塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(右面、タラーク:宝生如来) 良く整った宝篋印塔で、塔身を挟む上下が蓮弁になっている

塔身上下蓮弁式の宝篋印塔は数も少なく、代表的なものに観音院宝篋印塔(奈良県高取町)円福寺宝篋印塔 南塔(奈良県生駒市)正暦寺宝篋印塔 東塔(奈良市)

真照寺宝篋印塔(滋賀県愛荘町)があり、いずれも鎌倉時代の作品。なかでも正暦寺東塔は、隅飾りの月輪内に八方天の梵字を刻み、 法宝寺塔と類似している。・・・・・・

基  礎

基礎は壇上積式で、上端は反花、側面は四面とも輪郭を巻き、内に格狭間をつくる。

相輪は逓減がかかっていて、下から伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠。宝篋印塔は、地方色がなく洗練されていて美しく、相輪まで完存する。

法宝寺 宝篋印塔

県文 宝篋印塔の左手後方に立ち、福井県の笏谷石(凝灰岩)で造られている。隅飾りが外に傾き、室町時代以降の作品と思われる。

基礎正面の文様は、左右に竪連子と格狭間を上下に配する越前地方独特のもの。

法宝寺 仁王門 (江戸時代中期)

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法宝寺(ほっぽうじ) (高野山 真言宗)

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*JR山陰本線・播但線 和田山駅前からアコバス(朝来市コミュニティバス)白井病院線に乗車、「岡田バス停」下車 北方向へ徒歩 約4分。本数が少ないため事前の確認が必要。

(撮影:平成24年6月25日)