一乗寺(いちじょうじ)三重塔(2) (加西市坂本町821-17)

  一乗寺は、古くは法華寺(ほっけじ)法華山寺とよばれた。創建以来たびたびの焼失に会うが寛永年間(1624-44)に姫路城主の本多忠政の援助により再興された

屋根はわずかに照りむくり(曲面で上方が起こり、下方が下反り)がある。また、稚児棟がないのは珍しい


初層、三手先組物

二層は中央間板唐戸、脇間連子窓、中備えは三間とも蟇股

塔は初重総間の割りに高さが低く、上層の総間や軒の長さの逓減も大きめで安定感に富んでいる

 御詠歌:   春は花 夏は橘 秋は菊

                     いつも妙なる 法の華山

軒の二軒繁垂木が流れるように美しい


軒の風鐸

蟇股は左右別々の斜財から造られ最初期の本蟇股の特徴を持つ(二層部)

鉄製の相輪は、大きめで安定感があり水煙の唐草文が美しい

初層尾垂木、古材の貫禄か存在感があり、骨董的な美しさを併せ持つ


四隅の鬼瓦

初層、組物と軒

一乗寺三重塔は平安時代の建立で、京都・奈良以外では日本最古の塔

 兵庫県の塔 如意寺三重塔                            日本の塔-目次

格調の高い三重塔であり一級品の美しさを誇る

(2004.08.07、2006.01.15撮影)