浄土寺(じょうどじ)宝篋印塔

 浄土寺(じょうどじ)〈兵庫県洲本市五色町都志(つし)468〉

   宝篋印塔は南北朝時代中期 延文五年(1360)の在銘で、3mに近い高さを持つ堂々たる作品

浄土寺宝篋印塔 (県指定文化財、南北朝時代中期 延文五年 1360年、花崗岩、高さ 291.9Cm)

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、タラーク:宝生如来)
宝篋印塔は、門内すぐ左手、金属の柵内に立っている 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(南面、キリーク:阿弥陀如来)

段型は下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内に月輪を陽刻し梵字を刻む。八方天種子を刻んだものと思われる

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(西面、アク:不空成就如来)
塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(北面、ウーン:阿閦如来) 巨大な宝篋印塔で、南北朝時代中期 延文五年(1360)の銘がある

基礎上、二段の段型

宝篋印塔が大きい為、基礎上端の二段の段型は別石で作られている。。

相輪は、下から伏鉢、請花・九輪・請花・宝珠で、基礎、塔身、笠、相輪とすべて当初のものが残っている。

基礎 正面

基礎上端は別石で二段、側面は四面とも輪郭を巻き、内に格狭間をつくる。南面と西面に刻銘がある。

基礎南面、左側束の刻銘:「為法界衆生往生」 笠の隅飾り、内に月輪を陽刻し、梵字を刻む

基礎の刻銘全文:「為法界衆生往生」(南面)「極楽造立趣如件」、「延文五年(1360)庚子十月十日」(西面)

西面左側の刻銘:「極楽造立趣如件」 西面右側の刻銘:「延文五年(1360)庚子十月十日」

基礎 西面の刻銘

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浄土寺(じょうどじ)

五色町都志(つし)は、北前船で財をなし、日本とロシアの外交に貢献した高田屋嘉兵衛の生地で、記念館もある。

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*神戸三宮駅前又は高速舞子バス停から淡路交通バス 五色バスセンター行きに乗車、終点 「五色バスセンター停留所」 下車、北方向へ徒歩 約8分。洲本からは、洲本高速バスセンターから都志(つし)行きに乗車、「五色バスセンター停留所」下車、北方向へ徒歩 約8分。

(撮影:平成23年10月4日)