清園寺(せいおんじ)(兵庫県丹波市市島町下竹田68)
石燈籠は、南北朝時代前期 貞和三年(1347)の銘があり完存する。火袋の壁面に刻まれた金剛界四仏種子が珍しい。
清園寺(せいおんじ)石燈籠 (県指定文化財、南北朝時代前期 貞和三年 1347年、流紋岩、高さ 273Cm)
宝珠・請花、形の良い宝珠の下に覆輪付単弁の請花をつくる | ||
八角型の石燈籠は、仁王門を入った中央に置かれている | 火袋、八角で、火口四面、壁面 四面の構成 |
笠
笠は背が高く、八本の蕨手(わらびて)は、美しく立ち上がり、欠損部はない
火 袋
上区は竪連子、下区は格狭間。壁面の中区は、蓮華座上月輪を薄肉彫りし月輪内に金剛界四仏の種子を刻む。
中 台
上端は低い二段、側面は二区に分け、散蓮華文様を形をかえて陽刻し、下端は単弁の蓮弁を刻出する
竿(さお)は円柱、三節をつくり、中節は連珠文。中節の上に四行の刻銘がある。刻銘により南北朝時代 貞和三年(1347)の造立と知れる |
刻銘:「右志者、為天下泰平」「六道四生、一切普利」「貞和三年(1347)丁亥九月八日」「左衛門尉平顕信敬白」
阿弥陀如来の種子「キリーク」 | 不空成就如来の種子「アク」 | 阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」 | 宝生如来の種子「タラーク」 |
火袋壁面・金剛界四仏の種子
壁面は、上区竪連子、下区格狭間で、中区は蓮華座と月輪を薄肉彫りし、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む。
基 礎
八角形で、中心に竿(さお)受けの八角形座、上端に単弁反花、側面は各々格狭間をつくる。
火袋や中台の彫刻等が、南北朝時代らしい飾りつけをみせている | 中節の上に刻まれた刻銘 |
刻銘:「右志者、為天下泰平」「六道四生、一切普利」「貞和三年(1347)丁亥九月八日」「左衛門尉平顕信敬白」
基 壇
二段で各々二枚の石を加工し八角形とする。角面と辺面を互い違いに置いているのが面白い。
清園寺(せいおんじ)薬師堂(市指定文化財、江戸時代前期 貞享三年 1686年、五間四面 宝形造、桟瓦葺)
大江山の鬼退治をした用明天皇第三皇子 麻呂子(まろこ)親王が、薬師如来像を安置するために建立した七カ所の寺院の一つと伝える
清 園 寺 (高野山真言宗)
*JR福知山線「丹波竹田駅」下車、北東方向へ徒歩 約11分。
(撮影:平成23年8月17日)