西倉(にしくら)宝篋印塔

 西倉(にしくら)宝篋印塔(兵庫県丹波市青垣町栗栖野字西倉ノ上96)

   宝篋印塔は、南北朝時代後期の作品と推定されおり、基礎正面は丹波市 万松寺塔・京丹後市 縁城寺塔と同様、中心飾り付の格狭間を持つ。

西倉(にしくら)宝篋印塔 (県指定文化財、南北朝時代後期 、凝灰岩、高さ 約126Cm)

塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(正面、ウーン:阿閦)
宝篋印塔は、小さな山林の丘上、ツキ山古墳のそばに立っている 塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(右面、タラーク:宝生)

笠の段型は下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付、正面のみ月輪を内に陽刻し、やや外傾する

塔身、蓮座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(背面、キリーク:阿弥陀)
塔身、蓮華座上月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(左面、アク:不空成就) 良く整った南北朝後期の宝篋印塔。地元で、五輪さんと呼ばれている

基礎 正面 (中心飾り付きの格狭間)

基礎上端は二段、側面は輪郭を巻き、格狭間をつくる。正面は、中心飾り付の格狭間で、背面は無地。

中心飾りつきの格狭間は、豊岡市の温泉寺 重文塔や京丹後市の縁城寺塔(重文)に見られる

但馬・丹波・丹後地方の地方色で、丹波市内にも万松寺(ばんしょうじ)宝篋印塔が中心飾り付の格狭間を持つ。

相輪は逓減がかかっていて、下から伏鉢、請花、九輪、請花、宝珠。基礎正面、中心飾り付きの格狭間が丹波・丹後の地方色を表している

基礎 右面

左右両面は、輪郭を巻き内に通常の格狭間をつくる。背面は無地。

笠、正面の隅飾り。内に月輪を陽刻する。 市島町白毫寺に至徳元年(1384)銘の中心飾り付きの基礎残欠が残っている

 鷲原寺道(わしはらじみち)阿弥陀石仏                        石仏と石塔-目次!

万松寺(曹洞宗)

宝篋印塔は、石積みの基壇上に据えられる。

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*JR福知山線 柏原駅前から神姫グリーンバス 青垣住民センターまたは佐治行きに乗車、「栗栖野バス停」 下車、西南方向へ約800m。地元の人に場所を聞いて、やっと辿り着いた。土手道を歩き、低い山林の中に入る。その頂上に立っていた。地元では、五輪さんと呼ばれている。

(撮影:平成23年9月24日)