隼人塚(はやとづか)

 奈良時代、南九州の熊襲(くまそ)・隼人族の反乱で亡くなった原住民の霊を慰める為に建立したとか、「正国寺(しょうこくじ)」の跡とかの説がある。

 隼人塚(はやとづか)(鹿児島県霧島市隼人町内山田265-3)

  平成十年から十一年にかけ修復工事が行われ、創建当時の姿がよみがえっている。

隼人塚(はやとづか)(国史跡、平安時代後期、凝灰岩)

塚の上に三基の五重石塔が建ち、石塔の各層軸部には仏像が刻まれている。また、塚の四方には四天王の石像が立っている。

隼人塚(はやとづか)五重石塔 東塔

  四層目軸部・三層目笠、相輪が新補で、それ以外は既存の石塔と出土石材により修復されている。

隼人塚(はやとづか)五重石塔 東塔 (国史跡、平安時代後期、凝灰岩、高さ 560Cm)

初層軸部(正面)、両脇に連子窓、中央に蓮華座上に坐す如来形を刻む
東塔は、三基の内、向かって右側に建つ石塔 初層軸部(西面)、両脇に連子窓、中央に蓮華座上に坐す如来形を刻む

初層軸部の四面は、左右に連子窓を刻み、中央は扉が開いた状態で、内に二重円光背を負った如来形坐像を蓮華座上に半肉彫りする。

初層 屋根

屋根と軸部を別石にする。軒は緩く反り、軒下は一重の垂木型、軒先には隅木を刻出する。

初層軸部(背面)、両脇に連子窓、中央に蓮華座上に坐す如来形を刻む
初層軸部(東面)、両脇に連子窓、中央に蓮華座上に坐す如来形を刻む 二層から五層の軸部四面にも、仏像が刻まれている

基 礎

基礎は、背が低く幅がゆったりと広く古式を示す。

相輪、四層目軸部、三層目笠が新補で、それ以外は既存の石塔と出土石材により修復された(着色説明は、現地説明板)

                                          

相輪 (新補) 正面、如来形坐像。定印の阿弥陀如来と思われる。

 隼人塚(はやとづか)五重石塔 中央塔                          石仏と石塔-目次!

隼人塚(はやとづか) 全景

層塔紀年順  隼人塚(はやとづか)五重石塔 中央塔(平安時代後期)  石造層塔-紀年順-目次

*JR日豊本線 「隼人駅」下車、南西方向へ 徒歩 約7分。

(撮影:平成24年1月24日)