稲葉崎(いなばさき)元弘元年銘 五輪塔

 稲葉崎(いなばさき)五輪塔(鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎)

   板碑も含めた稲葉崎供養塔群のなかで、最も古い鎌倉時代末期 元弘元年(1331)の銘を持つ五輪塔で、逆修塔として造立された。(A)

稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、鎌倉時代末期 元弘元年 1331年、凝灰岩、高さ 134Cm)

水輪正面(南面)、顕教四仏 薬師如来の種子「バイ」を薬研彫する
黄金塔に向かう参道右手側、西端の黄金塔に近い位置にある。 水輪西面、尊名不明の種子「バ」を薬研彫する

火 輪

軒口が極端に厚い。他の五輪塔も厚く、地方色か。軒反は両端で強く反っている。

水輪背面(北面)、顕教四仏 阿弥陀の種子「キリーク」を薬研彫する
水輪正面(東面)、顕教四仏 釈迦如来の種子「バク」を薬研彫する 風・空輪は、別物と思われる。火輪の東面は損傷が激しい。

地 輪 正 面 (南面)

地輪は高さ41Cm 幅 54Cm、正面に鎌倉時代末期 元弘元年(1331)の刻銘がある。

刻銘:「右造立石塔婆者、為逆修善根之、奉刻五輪形像、送都率内院、而己、干時元弘元年(1331)十一月八日」

地輪に刻まれている元弘元年(1331)銘は、稲葉崎供養塔群のなかで最も古い。

稲葉崎(いなばさき)五輪塔 (妙清禅尼 銘)

 黄金塔に向かう参道右手側、元弘元年銘 五輪塔の手前に立っている。(B)

稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代、凝灰岩、高さ 122Cm)

風・空輪、一石からなり空輪は宝珠の形 火輪、軒口厚く両端で強く反る

水輪正面(南面)

金剛界四仏の種子を刻む(南面:「キリーク」)を刻む。彫りが弱く時代は下がる。

地 輪 正 面 (南面)

地輪は 幅 52Cm、正面に「妙清禅尼」の刻銘がある。

 稲葉崎(いなばさき)貞治三年銘 五輪塔                        石仏と石塔-目次!

黄金塔(画像左端)に向かう参道右手側

A は、元弘元年(1331)銘五輪塔。Bは、妙清禅尼の刻銘がある五輪塔。

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*JR肥薩線 栗野駅前から南国交通バス 鹿児島空港行きに乗車、「稲葉崎上バス停」下車、北方向へ 徒歩 約3分。または、ふるさとバス(轟方面)に乗車「稲葉崎上バス停」下車。轟(とどろき)簡易郵便局の北側の山あたりが稲葉崎供養塔群。

(撮影:平成24年1月25日)