稲葉崎(いなばさき)五輪塔(鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎)
黄金塔に向かう参道左手西端、元弘元年銘五輪塔に対面して立つ。南北朝時代 中期 貞治三年(1364)の銘がある。(C)
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 貞治三年 1364年、凝灰岩、高さ 137Cm)
水輪正面(北面)、線刻蓮華座上に種子「バク」を薬研彫する | ||
線刻蓮華座等に、時代が下がる特長がでている。 | 水輪は、肩の張った壺型。東面は、線刻蓮華座上に種子「バ」を刻む |
四面の種子は、基本文字「バ」に変化をつける。正面種子は「バ」に涅槃点を加え「バク」、東面は「バ」、南面は修行点を加え「バー」、西面は空点と荘厳点を加え「バン」。
火 輪
軒口厚く、傾斜も深い。軒反は両端で反る。
水輪背面(南面)、線刻蓮華座上に種子「バー」を薬研彫する | 水輪西面、線刻蓮華座上に種子「バン」を薬研彫する |
地 輪 正 面 (北面)
地輪は幅 50Cm、正面に南北朝時代中期 貞治三年(1364)の刻銘がある。
刻銘:「妙円禅門、貞治三年(1364)、甲辰、十一月八日」
対面する元弘元年銘五輪塔の三十三年後、同日に造立されている。
黄金塔に向かう参道左手側、貞治三年銘 五輪塔の手前に立っている。地輪が他の輪に比し大きく、水・火・空・風輪は別物と思われる。(D)
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代前期 貞和四年 1348年、凝灰岩、高さ 85Cm)
地 輪 正 面 (北面)
地輪は幅 40Cm、正面に南北朝時代前期 貞和四年(1348)の刻銘がある。
刻銘:「相当、第三年、貞和四年(1348)三月十八日、施主、敬白」
黄金塔に向かう参道左手側、貞和四年銘 五輪塔の手前に立っている。地輪が他の輪に比し大きく、水輪から上は別物と思われる。(E)
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 康安二年 1362年、凝灰岩、高さ 93Cm)
地 輪 正 面 (北面)
地輪は 幅 35Cm、正面に「逆修、比丘尼 妙興、康安弐(1362)卯月十一日」の刻銘がある。
黄金塔に向かう参道右手側、康安二年銘 五輪塔の手前に立っている。(F)
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代、凝灰岩、高さ 66Cm)
黄金塔に向かう参道左手側
C は、貞治三年(1364)銘五輪塔。Dは、貞和四年(1348)銘五輪塔。Eは、康安二年(1362)銘五輪塔。Dは、無銘五輪塔。
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*JR肥薩線 栗野駅前から南国交通バス 鹿児島空港行きに乗車、「稲葉崎上バス停」下車、北方向へ 徒歩 約3分。または、ふるさとバス(轟方面)に乗車「稲葉崎上バス停」下車。轟(とどろき)簡易郵便局の北側の山あたりが稲葉崎供養塔群。
(撮影:平成24年1月25日)