稲葉崎(いなばさき)文和五年銘 五輪塔

 稲葉崎(いなばさき)五輪塔(鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎)

  黄金塔に向かって右側の五輪塔群、最上段南端(左端)に立つ五輪塔二基で、どちらも南北朝時代中期 文和五年(1356)の銘がある。

稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 文和五年 1356年、凝灰岩、高さ 107Cm)

 稲葉崎 文和五年銘 五輪塔 (沙弥 法阿弥陀仏 銘)

   五輪塔群の最上段、向かって左端の五輪塔。南北朝時代中期 文和五年(1356)の銘がある。(G)

風・空輪、一石からなり風輪は宝珠の形
五輪塔群の最上段、向かって左端(南端)の五輪塔 水輪、球形を上下に圧縮した様な楕円形

稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 文和五年 1356年、凝灰岩、高さ 107Cm)

火 輪

軒口厚く、軒反は全体で反っている。

地 輪 正 面 (東面)

地輪は、高さ 27Cm 幅 42Cm、正面に南北朝時代中期 文和五年(1356)の刻銘がある。

刻銘:「奉造立石塔婆、沙弥法阿弥陀仏、逆修善根、後生善所、造立如件、文和五年(1356)、丙申、八月廿八日、施主、敬白」

法阿弥陀仏の逆修供養塔として文和五年八月二十八日に造立された。時宗の阿号が刻まれている。

 稲葉崎 文和五年銘 五輪塔 (比丘尼 妙徳 銘)

   五輪塔群の最上段、向かって左から二基目の五輪塔。南北朝時代中期 文和五年(1356)の銘がある。(H)

稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 文和五年 1356年、凝灰岩、高さ 106Cm)

地 輪 正 面 (東面)

地輪は幅 42Cm、正面に南北朝時代中期 文和五年(1356)の刻銘がある。

刻銘:「石塔婆、比丘尼妙徳、逆修善根、後生為菩提也、文和五年(1356)、丙申、八月十八日、施主敬白」

比丘尼妙徳の逆修供養塔として文和五年八月十八日に造立された。文和の年号は、文和五年三月二十七日迄で、両塔とも延文元年になる。

 稲葉崎(いなばさき)正平十三年銘 五輪塔                      石仏と石塔-目次!

黄金塔に向かって右側の五輪塔群、最上段

13 は、暦応二年(1339)銘角塔婆。Gは、沙弥 法阿弥陀仏 文和五年(1356)銘五輪塔。Hは、比丘尼 妙徳 文和五年(1356)銘五輪塔。

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*JR肥薩線 栗野駅前から南国交通バス 鹿児島空港行きに乗車、「稲葉崎上バス停」下車、北方向へ 徒歩 約3分。または、ふるさとバス(轟方面)に乗車「稲葉崎上バス停」下車。轟(とどろき)簡易郵便局の北側の山あたりが稲葉崎供養塔群。

(撮影:平成24年1月25日)