稲葉崎(いなばさき)五輪塔(鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎)
五輪塔群、最上段南端(左端)から三・四基目に立つ五輪塔二基で、どちらも南北朝時代中期 正平十三年(1358)の銘がある。稲葉崎供養塔群で、南朝銘はこの二基だけ。
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 正平十三年 1358年、凝灰岩、高さ 135Cm)
寄り添って立つ二基の五輪塔は、造立の年月日が同じで、夫婦の逆修塔と思われる。
(沙弥 浄阿弥陀仏 銘)
五輪塔群の最上段、向かって左から三基目の五輪塔。南北朝時代中期 正平十三年(1358)の南朝銘がある。(I)
風・空輪、一石で空輪は宝珠の形、風輪は半球形で整った形 | ||
五輪塔群の最上段、向かって左端(南端)から三基目の五輪塔 | 水輪、やや角ばった球形で、正面に薬師如来の種子「バイ」を刻む |
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 正平十三年 1358年、凝灰岩、高さ 135Cm)
火 輪
軒口は非常に厚く、軒反は全体で反っている。
地 輪 正 面 (東面)
地輪は、幅 49Cm、正面に南北朝時代中期 正平十三年(1358)の南朝紀年銘がある。
刻銘:「右塔婆、沙弥浄阿弥陀仏、逆修善根也、正平十三年(1358)、三月五日」
浄阿弥陀仏の逆修供養塔として正平十三年三月五日に造立された。時宗の阿号が刻まれている。
(比丘尼 妙意 銘)
五輪塔群の最上段、向かって左から四基目の五輪塔。南北朝時代中期 正平十三年(1358)の南朝銘がある。(J)
稲葉崎(いなばさき)五輪塔(県指定史跡、南北朝時代中期 正平十三年 1358年、凝灰岩、高さ 125Cm)
風・空輪、一石からなり空輪は宝珠の形 | 水輪、やや肩の張った壺型で種子は刻まれていない |
火 輪
軒口は非常に厚く、軒反は全体で反っている。
地 輪 正 面 (東面)
地輪は、幅 48Cm、正面に南北朝時代中期 正平十三年(1358)の南朝紀年銘がある。
刻銘:「右塔婆、比丘尼妙意、逆修善根也、正平十三年(1358)、三月五日」
比丘尼 妙意の逆修供養塔として造立された。法名以外の銘文は同じで、紀年銘も同じ。夫婦の逆修塔と思われる。
黄金塔に向かって右側の五輪塔群、最上段
13 は、暦応二年(1339)銘角塔婆。I は、沙弥 浄阿弥陀仏 正平十三年(1358)銘五輪塔。J は、比丘尼 妙意 正平十三年(1358)銘五輪塔。
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*JR肥薩線 栗野駅前から南国交通バス 鹿児島空港行きに乗車、「稲葉崎上バス停」下車、北方向へ 徒歩 約3分。または、ふるさとバス(轟方面)に乗車「稲葉崎上バス停」下車。轟(とどろき)簡易郵便局の北側の山あたりが稲葉崎供養塔群。
(撮影:平成24年1月25日)