稲葉崎(いなばさき)胎蔵界四仏種子角塔婆(鹿児島県姶良郡湧水町稲葉崎)
黄金塔に向かって左側奥、 二連板碑の前方に立つ。上部の四面に胎蔵界四仏の種子を刻む。貞和二年(1346)の銘がある。
稲葉崎胎蔵界四仏種子 角塔婆(県指定史跡、南北朝時代前期 貞和二年 1346年、凝灰岩、高さ 118Cm 幅 29Cm)
東面、上部に胎蔵界四仏の種子「ア(宝幢如来)」を薬研彫する | 南面、上部に胎蔵界四仏の種子「アー(開敷華王)」を薬研彫する |
南面(アー:開敷華王)の身部に「為過去、妙・・・生死頓證菩提、量殊・・・道回生有縁無縁・・・、平等利益也」、
「貞和二年(1346)、十一月、十二日、施主敬白」の刻銘がある。刻銘は、摩耗・剥落している。
極楽往生を願う「頓證菩提(とんしょうぼだい)」と「為過去」の刻銘から、追善供養碑として造立されたと思われる。
西面、上部に胎蔵界四仏の種子「アン(無量寿)」を薬研彫する | 北面、上部に胎蔵界四仏の種子「アク(天鼓雷音)」を薬研彫する |
黄金塔の向かって左側部
胎蔵界四仏種子が刻まれた角塔婆は、二連板碑の前方、写真上の左端 ⑦の位置に立つ
稲葉崎(いなばさき)石塔婆 (県指定史跡、南北朝時代前期 康永二年 1343年、凝灰岩、高さ 100Cm 幅 34Cm)
石塔婆、正面の刻銘
正面中央に「康永二(1343)十 十八」と刻む。他に刻銘はない。
稲葉崎(いなばさき)供養塔群 (県指定史跡、南北朝時代前期、凝灰岩)
二連板碑⑤のすぐ前に、⑥の康永二年(1343)銘の石塔婆が立っている。
*JR肥薩線 栗野駅前から南国交通バス 鹿児島空港行きに乗車、「稲葉崎上バス停」下車、北方向へ 徒歩 約3分。または、ふるさとバス(轟方面)に乗車「稲葉崎上バス停」下車。轟(とどろき)簡易郵便局の北側の山あたりが稲葉崎供養塔群。
(撮影:平成24年1月25日)