田尾原(たおばる)三面種子角塔婆

 田尾原(たおばる)供養塔群(鹿児島県姶良郡湧水町田尾原)

  一列に並んで置かれている板碑・角塔婆群の向かって右端の角塔婆で、背面を除く頂部に種子が薬研彫されている。

田尾原(たおばる)三面種子角塔婆 (県指定史跡、南北朝時代、凝灰岩、高さ 120Cm 幅 30Cm角)

頂部三面に種子を薬研彫し、正面部に法華経 如来神力品 に出る偈(げ)の刻銘が部分的に残っている。

偈(げ):住於大神通、為悦衆生故」、「現無量神力、舌相至梵天

[ 大神通に住して、衆生を悦(よろこ)ばしめんがための故に、無量の神力を現したまい、舌相は梵天に至る。]

角塔婆 頂部(北面と正面)

前面と北面の下方を損傷する。種子は、正面と側面二面に刻まれ、背面は素面で何も刻まれていない。

角塔婆 頂部 (正面と南面)

 田尾原(たおばる)一尊種子板碑

  一列に並んで置かれている板碑・角塔婆群の向かって左端の板碑で、身部上方に種子「アーン」を刻む。

田尾原(たおばる)一尊種子板碑 (県指定史跡、南北朝時代、凝灰岩、高さ 105Cm 幅 30Cm)

板碑 頂部

頭部は四柱山形、下の二段の切込は側面に及ぶ。額部は、薄く突出する。

身部上方に大きく種子「アーン」(仏名不明)を刻む。身部下方は罫が引かれており、墨書されていたものと思われる。

田尾原(たおばる)供養塔群 (県指定史跡、南北朝時代中期、凝灰岩)

は、一尊種子板碑(無銘)。 は、三面種子角塔婆。

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田尾原(たおばる)供養塔群 (県指定史跡、南北朝時代中期頃、凝灰岩)

田尾原供養塔群は、南北朝時代中期のものが中心となっている。

 板碑(いたび)

*JR肥薩線 栗野駅前から、ふるさとバス(轟方面)に乗車、「田尾原公民館前バス停」下車 北方向へ徒歩 約6分。

(撮影:平成24年1月25日)