東漸寺(とうぜんじ)(神奈川県横浜市磯子区杉田1-9-1)
関東地方で最も古い様式の五輪塔で、凝灰岩で造られている。各輪には五輪塔四門の梵字が雄渾に大きく刻まれ古様を示している。
-------------\\\-------\\--------------------\\-----\\---------- |
東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 西塔 (県指定文化財、鎌倉時代中期 、凝灰岩、高さ 126Cm)
釈迦堂の手前、覆屋の中に三基並び北面して立つ凝灰岩製の五輪塔で、向って右側塔。風・空輪を欠失するが、形式的に一番古い。 |
五輪塔の各輪は、五輪塔四門の梵字が雄渾に大きく刻まれ、古様を示している。
五輪塔 四門の梵字、上(火輪)から下(地輪)へ
キャ・カ・ラ・バ・ア (東方、発心門) キャー・カー・ラー・バー・アー (南方、修行門)
ケン・カン・ラン・バン・アン (西方、菩提門) キャク・カク・ラク・バク・アク (北方、涅槃門)
火 輪 (梵字:「ラ」)
軒は全体にゆるやかに反り、軒口をやや内斜に切る。勾配も緩やかで、梵字は大きく雄渾に刻まれている。
水 輪 (梵字:「バ」)
角ばった球形で、古様を示す。
地 輪 (梵字:「ア」)
地輪はやや背が高く、梵字は力強く刻まれている。
東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 三基 (県指定文化財、鎌倉時代中・後期 、凝灰岩、中央塔の高さ 194Cm)
東漸寺(とうぜんじ)(神奈川県横浜市磯子区杉田1-9-1)
西塔に次ぐ古い五輪塔で、鎌倉時代後期の初め頃の作品とみられている。
東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 東塔 (県指定文化財、鎌倉時代後期 、凝灰岩、高さ 154Cm)
三基並び北面して立つ凝灰岩製の五輪塔で、向って左側塔。西塔に次ぐ古い五輪塔で、鎌倉時代後期の初めごろの作品とみられている。
風・空輪、一石で作られる。空輪は宝珠の形。 | ||
鎌倉後期、安山岩の五輪塔が本流となるが、それに先行する作品 | 水輪正面、球形で、四門の梵字を雄渾に刻む。(梵字:「バン」) |
火輪正面 (梵字:「ラン」)
軒は全体に直線的で、軒口をやや内斜に切る。勾配は深く、梵字は大きく雄渾に刻まれている。
地輪正面 (梵字:「アー」)
地輪は方形で、梵字は力強く刻まれている。
通常、火・水輪の梵字が「ラン」・「バン」なので、地輪は「アン」だが「アー」が刻まれ、90度時計回りに進んで設置されている。
東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 三基 (県指定文化財、鎌倉時代中・後期)
三基の五輪塔は、付近から移したものといい、夫々の形に時代の変化が見られる。
東漸寺(とうぜんじ)(臨済宗 建長寺派)
鎌倉時代後期 正安三年(1301)桃渓徳悟(とうけいとくご)を開山として、北条宗長により創建された。
五輪塔紀年順 | 般若寺(はんにゃじ)五輪塔(鎌倉時代中期) | 五輪塔-紀年順-目次 |
↑、西塔(鎌倉中期)からのリンクは上(般若寺) ↓、東塔(鎌倉後期)からのリンクは下(中央塔) | ||
東漸寺(とうぜんじ)五輪塔 中央塔(鎌倉時代後期) |
*JR 根岸線 「新杉田駅」下車、南西方向へ徒歩 約6分。又は、京急本線 「杉田駅」下車、徒歩。
(撮影:平成24年11月7日)