本光寺(ほんこうじ)(熊本県熊本市坪井4-10-29)
在銘笠塔婆では、我国最古 平安時代後期 安元元年(1175)の銘がある。現在、塔身だけが残っている。
本光寺笠塔婆 塔身(県指定文化財、平安時代後期 安元元年 1175年、凝灰岩、高さ 95Cm 幅 33.5Cm角)
笠塔婆は、本堂に向かって右手奥に立っている。基礎と笠から上が後補。塔身は熊本県指定、笠から上は熊本市指定の文化財。 |
初層屋根 (市指定文化財、鎌倉時代、凝灰岩)
三段の屋根先端には巴紋(ともえもん)を配し、軒下には二軒繁垂木を刻出する。
塔身正面、蓮華座上に阿弥陀の種子、下方に銘文を刻む | 塔身正面、蓮華座上月輪内に阿弥陀の種子「キリーク」を刻む |
塔身下方の銘文
銘文:「奉造立笠塔婆一基」「安元元秊(1175)、乙未、十月五日、丙午」「佛師長昭」
塔身北面、蓮華座上月輪内に金剛界大日の種子「バン」を刻む | 塔身背面、蓮華座上月輪内に阿閦如来の種子「ウーン」を刻む |
塔身は、金剛界四仏の種子を蓮華座上月輪内に薬研彫する。但し、北面は不空成就(アク)に代わり金剛界大日如来(バン)の種子が刻まれている。
初層屋根 (市指定文化財、鎌倉時代、凝灰岩)
屋根の四隅に鬼瓦を表す。
塔身南面、蓮華座上月輪内に宝生如来の種子「タラーク」を刻む | 刻銘:「安元元秊(1175)、乙未、十月五日、丙午」 |
「安元元年(1175)」の銘は、笠塔婆では我国最古。最後の、丙午は十月五日の干支。
塔身は水磨きの上、朱色に彩色され、種子は黒色に塗られたあとがある。
初層屋根の上には、五輪塔の水輪と三層の小型層塔の屋根が載っている。(市指定文化財、室町時代、凝灰岩) |
本光寺(ほんこうじ)(日蓮宗)
*熊本電鉄 藤崎線 「黒髪町駅」下車、南方向へ 徒歩5分。
(撮影:平成24年1月26日)